HubSpotとSalesforceを徹底比較|機能・料金・使いやすさの違い

目次

Salesforce比較の結論

HubSpotとSalesforceの違いは、ツールの標準機能に業務を合わせるHubSpotと、業務に合わせて作り込むSalesforceという設計思想の差にあります。 料金体系も、使いやすさも、導入後に定着するかどうかも、元を辿ればこの違いに行き着きます。 どちらが自社に適しているかは、機能の優劣で判断することは望ましくなく、専任の管理者を置けるか、要件を標準機能に寄せられるか、営業・マーケ以外の部門の業務がどこまでツールに乗っているかの3つで決まります。

CRMのカスタマイズの自由度は、その運用を社内でできる人がいて初めて利点となるため単純なコストや機能での比較は危険です。

この記事で分かること

  • 設計思想の違い:標準機能に業務を合わせるFit to Standardと、業務に合わせて作り込むFit & Gap
  • 料金の違い:シート課金とユーザー課金、サポート費用が別料金かどうか
  • 機能の違い:CRM・MA・SFA・レポート・カスタマイズ性・API許容量
  • 習熟コストの差:Salesforceの認定7コース各80〜100時間とHubSpotの1コース2時間
  • 形骸化する分岐点:作り込みが進むほど運用が属人化する構造
  • 費用の実態:ライセンス費・初期実装費・運用者の人件費という3層と、HubSpot導入支援の目安
  • 選び方の判断軸:マーケと営業の連携実態、経理・管理部門の業務がツールに乗っているかどうか

CRMを導入する際、HubSpotとSalesforceのどちらを選ぶべきか。比較記事を読み比べても、機能表と料金表が並ぶだけで、結局どちらが自社に合うのかが分からないという声をよく聞きます。

料金や機能の一覧だけでは、自社のマーケティング部門と営業部門、双方が納得できる判断軸にはなりにくいものです。この記事では、株式会社グロースパイロットが支援現場で見てきた実例をもとに、カタログ比較だけでは見えない部分まで踏み込んで説明します。

すでにSalesforceを使っていて、現場が入力しなくなった、カスタマイズの費用が想定以上にかさんでいるという状態であれば、乗り換えるべきかどうかの判断基準と移行の進め方を以下の記事で解説しています。

Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

HubSpotとSalesforceの違い

両者の違いは機能の多寡ではなく、システムを業務に合わせるか、業務をシステムに合わせるかという設計思想にあります。

Fit & GapとFit to Standardという設計思想の違い

Salesforceは業務に合わせてシステムを作り込むFit & Gap、HubSpotはシステムに合わせて業務を変えるFit to Standardに近い設計です。この違いが、料金・機能・使いやすさ・費用・判断軸のすべての土台になります。

なお、この2つはERPやパッケージシステムの導入手法として使われている言葉で、両社が自社をそう説明しているわけではありません。両社の作りをこの言葉に当てはめて整理したのは弊社です。

Salesforceは自社の要件や要望を細かく盛り込んだシステムを作れる一方、システム開発の工数と社内教育に大きなコストがかかります。一度開発した仕組みは簡単には再設定できず、ツールの機能アップデートによって使えなくなるリスクも抱えます。

HubSpotは分かりやすく使いやすい設計になっている分、設計に時間と費用がかかりません。フルスクラッチの開発には限界がありますが、開発をしていない分、再設定は容易で、機能アップデートもそのまま反映されます。

Salesforce(Fit & Gap)HubSpot(Fit to Standard)
考え方業務に合わせてシステムを開発するシステムに合わせて業務を変える
メリット自社の要件・要望を盛り込んだシステムを作れる分かりやすく使いやすい。設計に時間と費用がかからない
デメリットシステム開発の工数と社内教育に大きなコストがかかるフルスクラッチの開発には限界がある
再設定一度開発すると簡単には再設定できない開発していないので再設定が容易
アップデート機能アップデートで使えなくなるリスクがある機能アップデートがそのまま反映される

HubSpot社はこの標準機能について、135カ国以上・28万8000社以上の顧客をもとにした、効率の良い機能の集合体という位置づけで説明しています。

CRMツールそのものの基礎知識は、以下の記事で解説しています。

CRMツールとは?

複雑に作り込んでも活用が進む会社の条件

作り込む前提でCRMを選んでも、社内で合意を取りに動く人がいれば活用は進みます。 弊社が見てきた範囲でも、作り込んだ会社でうまく回っているのは、関連部門全体の合意が取れているケースでした。

関係する部門の全員がツールへの理解と期待値を揃えていて、何を解決したいのかが言語化されています。 それに伴い全部門が当事者意識が生まれ、入力も設定変更も自分たちの仕事として改善が進んでいく傾向にあります。 自社内でできない場合でも外部支援会社に対して的確な依頼をすることにより、手戻りが少なく改善スピードが速く 結果的に運用コストも下げられています。

ただし、新しく入った人への教育にはコストがかかっている印象があります。作り込んだ分だけ、覚えることが増えるためです。

標準機能で構築した会社は、別の理由で活用が進みます。 仕組みがシンプルで、マーケティングから受注までの管理とツールの守備範囲がはっきりしているため、業務のやり方を変えずに使い始められます。

どちらの設計思想を選ぶかよりも、社内で合意を取る人がいるかどうかの方が、使われるツールになるかを左右します。 作り込みそのものが失敗の原因になるわけではないと考えています。

機能の拡張単位の違い

SalesforceもHubSpotもどちらも1つのCRMプラットフォームと打ち出していますが、機能を足したときに顧客データが1つのままかどうかが違います。 HubSpotは同じデータベースの上にHubを足すのに対し、Salesforceは領域ごとの製品を足すため、製品によってはデータを同期させる設定が別に必要になります。

HubSpotはマーケティング向けのMarketing Hub、営業向けのSales Hub、カスタマーサービス向けのService Hubというように、使いたい領域のHubを追加して広げます。 運用の自動化やデータ管理、AIエージェント向けのHubもあります。

どのHubを足しても、コンタクトや取引といったデータベースは共通です。 マーケティングが見ている顧客と営業が見ている顧客が同じレコードなので、機能を増やしても顧客情報が二重になりづらいです。

Salesforceは営業向けのAgentforce Sales、マーケティング向けのAgentforce Marketing(旧Marketing Cloud)、カスタマーサービス向けのAgentforce Serviceというように、領域ごとの製品を選んで組み合わせます。

ここで確認しておきたいのが、製品によってデータの持ち方が違う点です。 BtoBのマーケティングオートメーションとして長く使われてきたAccount Engagement(旧Pardot)は、Salesforceとは別のシステムとして動き、コネクタで見込み客のデータを同期させる構成になっています。 新しいAgentforce MarketingはSalesforceのプラットフォーム上に作られているため、この前提は変わりつつあります。

つまり、どの製品を組み合わせるかによって、同期の設計が必要になるかどうかが変わります。見積もりを取るときは、どの製品の組み合わせになるのか、製品間のデータ連携がその金額に含まれているのかまで確認しておくと、後から工数が膨らむのを防げます。
Account EngagementとSalesforceの連携|Salesforce公式

なお、Salesforceの製品名は改称が続いており、2025年以降はAgentforceを冠した呼称に整理されました。検討する際は、現在の製品名を公式サイトで確認することをおすすめします。

HubSpotの機能や特長そのものは、以下の記事で解説しています。
HubSpot(ハブスポット)とは?

対象企業規模と導入企業数

導入企業数は2026年1月時点のHubSpot社調べで、HubSpotが28万8000社、Salesforceが15万社とされています。数の優劣を示す数字ではなく、対象とする企業層の違いが表れた数字として見るべきです。

Salesforceは大企業や複雑な業務に強く、強い変革をリードできるようM&Aを含めたスピード重視の戦略を取ってきました。HubSpotは中小から中堅企業を中心に、シンプルであり続けることを重視した戦略を取っています。

料金体系と課金方式の違い

HubSpotは機能単位のプランとシート課金が基本で、Salesforceはユーザー単位の課金が基本になります。どちらも人数が増えるほど料金が積み上がる仕組みですが、機能を追加するときの動き方が異なります。

シート課金とユーザー課金の違い

HubSpotはHub(Marketing・Sales・Service等)ごとにプランを選び、そのプランの中でシート数を追加していく課金方式です。閲覧のみのシートを追加費用なしで使えるプランもあり、実際に編集・操作するメンバーの数に応じてシートを増やす設計になっています。

Salesforceはエディション(Starter・Professional・Enterprise等)ごとに1ユーザーあたりの月額料金が決まっており、利用するユーザー全員分のライセンスが必要です。

どちらも人数で料金が決まる点は同じですが、HubSpotは使える機能の範囲をHubとプランの組み合わせで決め、Salesforceはエディションの選択で決めます。

項目SalesforceHubSpot
課金の単位エディションごとに1ユーザーあたりの月額Hub・プランごとに1シートあたりの月額
機能の範囲の決め方エディションの選択で決まるHubとプランの組み合わせで決まる
人数が増えたとき利用者全員分のライセンスが必要編集・操作するメンバー分のシートを追加
閲覧のみの利用者ライセンスが必要追加費用なしで使えるプランがある
機能を追加したいとき上位エディションへの移行が必要になりやすいHub単位で必要な機能を足せる
サポート費用ライセンス料金の30%程度が別料金になるケースが多いライセンス費用に含まれる

10名で使った場合の月額の目安

HubSpotのSales Hubは、2026年8月時点でStarterが月額2,400円(年払いだと840円)、Professionalが月額12,000円(年払いだと10,800円)、Enterpriseが年払いで月額18,000円からとなっています。いずれも1シートあたりの単価で、10名で使う場合はこの単価にシート数を掛けた金額が目安になります。たとえばProfessionalを10シート・年払いで契約すると、月額は10万8,000円が目安です。Enterpriseは月払いの料金が公開されておらず、年払いが前提になります。

このシート単価とは別に、Professionalには18万円、Enterpriseには42万円の1回限りの導入支援費用が必須で発生します。初年度にいくらかかるかを見るときは、この分も足して計算します。

Salesforceもエディションごとの1ユーザーあたり月額料金を公式サイトで公開しています。改定が入ることがあるため、検討している時点の公式サイトで直接確認することをおすすめします。

金額を出すときは、単価に人数を掛けるだけで終わらせず、この導入支援の費用、サポートの費用、途中で上位プランに移る可能性もあわせて見ておくと、あとから金額がずれにくくなります。

HubSpotの料金の仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。

HubSpotの料金体系を完全解説

HubSpot公式サイトの料金ページ

上位プランへの移行で料金が上がる構造

両社とも、必要な機能が増えるとプラン自体を上位グレードに変更しなければならない場面が出てきます。最初のプランで十分だったのに、AI機能や高度な分析を使いたくなり、より上位のプランへ移行するといった具合です。

Salesforceは特にこの傾向が強く、契約時には想定していなかった追加費用が積み重なり、気づけば当初の見積もりから大きく膨らんでいたという相談をよく受けます。営業担当者が増えるたびにライセンス費が積み上がるうえに、機能追加のたびに上位プランへの移行が必要になりやすい構造だからです。

HubSpotも上位プランへの移行で料金は上がりますが、Hub単位で必要な機能を選べるため、使っていない機能のために全体のプランを底上げする場面は比較的少なくなります。

サポート費用が別料金かどうか

サポートの費用が別料金かどうかで、支払う総額はかなり変わります。Salesforceはライセンス料金の30%程度が有料オプションになっているケースが多く、ライセンス費とは別にサポート費も積み上がっていきます。

HubSpotは電話・チャット・ナレッジベースによるサポートがライセンス費用に含まれるため、サポート費を別枠で見積もる必要がありません。

ライセンス費が同水準に見えても、サポート費の扱い次第で年間の総額は変わります。試算のときはライセンス費とサポート費を分けて並べておくと、実際の総額に近い数字が見えてきます。

機能比較で見る得意領域

基本的なCRM・SFA機能は両者とも揃っており、差が出るのはカスタマイズの自由度と、その自由度を扱える体制が自社にあるかどうかです。

機能ごとの違いを先に整理すると、次のようになります。

機能SalesforceHubSpot
CRM・SFA商談パイプラインの項目やルールを細かく作り込める標準機能の組み合わせで商談からレポートまで扱える
MAAgentforce Marketing(旧Marketing Cloud)やAccount Engagement等の製品を組み合わせるMarketing Hub単体で完結する
レポート・ダッシュボード自由度が高い分、作成に一定の知識が必要複数レポートを1画面に集約し自動集計できる
カスタマイズ性高い。Apex等での開発が可能中程度。ノーコードが中心
API許容量HubSpotの10分の1程度(基本枠同士の比較)Salesforceの約10倍(基本枠同士の比較)
運用する部門IT部門やSIerが入ることが多いマーケ・営業・カスタマーサポート部門内で完結しやすい
予実管理標準のForecasting機能はあるが、予算対実績の管理には設定やカスタマイズが必要になることが多い営業目標(Goals)機能とレポートの組み合わせで管理できる
AI機能Agentforceを中心に提供。活用には設計が必要Breezeが標準搭載されている

CRM・SFA機能の違い

CRM・SFA機能の差は、商談パイプラインをどこまで細かく作り込めるかにあります。顧客情報の管理や商談管理という基本の部分は、どちらを選んでも困りません。

Salesforceは商談パイプラインの項目やルールを細かく作り込め、承認フローや複雑な商流にも対応できる自由度があります。 また売上管理や入金管理なども開発をすることでSalesforce内で可能になります。 HubSpotは標準機能の組み合わせで、商談パイプラインからレポートまでを一気通貫で扱える設計になっており、設定の負荷を抑えたまま運用を始めやすくなっています。

弊社のプロジェクトで良く発生することとして、Salesforceの作り込みが重なった結果、どの項目がどこに影響するのかを社内の誰も説明できなくなっているケースがありました。 部門ごとに見える情報を分けたい場合、HubSpotではどこまで分けたいかによって必要なプランが変わります。 担当者やチーム単位でレコードの閲覧・編集を制限するだけなら有料プランで設定できますが、プロパティ単位で見える項目を分けるにはEnterpriseプランが必要です。 ドメインやロゴ、配信許諾をブランド単位で分けて管理したい場合は、Marketing Hub Enterpriseに有料のアドオンを追加する形になります。 どこまで細かく分けたいのかを、プランを決める段階で整理しておくとよいと考えています。

プランの選定からサポートが必要な場合は弊社で無料相談を行っておりますので、是非ご活用ください。

顧客管理の設計から運用定着までの実務手順は、以下の記事で解説しています。

HubSpotで顧客管理を効率化する方法

コンタクトの考え方の違い

見込み客を1件のレコードのまま追えるかどうかが、実務では大きな違いになります。 Salesforceにはプロスペクトからリード、リードから取引先責任者へと昇格していくルールがあり、同じ人物が段階によって別のレコードとして扱われます。

この昇格を挟むため、レポートが見づらくなります。獲得した見込み客が最終的にどうなったのかを追おうとしても、変換の前後でレコードが変わるので、一気通貫では見ることが難しいです。

HubSpotはコンタクト1件のまま、ライフサイクルステージという項目で段階を管理します。人物は1レコードのままなので、獲得から受注までを同じ軸で追えます。

弊社はこの点が、今のBtoBマーケティングのやり方に即しているかどうかの分かれ目だと考えています。 リードを何件獲得して何件が受注したかを日常的に見る運用であれば、レコードが分かれない方が扱いやすくなります。

データモデルの違いと、乗り換える場合に何を作り直すことになるかは、以下の記事で解説しています。

Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

MA機能の違い

HubSpotはMarketing HubというHub単体でメール配信・フォーム・ランディングページ・ナーチャリングを完結できるのに対し、Salesforceはマーケティング向けの製品を別途組み合わせる構成になります。BtoBのマーケティングオートメーションとしては、Account Engagement(旧Pardot)が長く使われてきました。

同一プラットフォームの中でMA機能が完結するかどうかは、設定・連携の手間だけでなく、マーケティング部門と営業部門が同じデータを見られるかどうかにも関わってきます。

HubSpotのMA機能の全体像は、以下の記事で解説しています。

HubSpotのMA機能とは?

レポートとダッシュボードの違い

どちらもレポート・ダッシュボード機能を備えていますが、HubSpotは複数レポートを1画面にまとめてリアルタイムに自動集計できるダッシュボード機能を標準で持ち、切り口を変えた集計も即座に行えます。Googleスプレッドシートをダッシュボードに埋め込むこともできます。

Salesforceはレポート機能自体の自由度が高く、複雑な集計や独自の指標も組み立てられますが、その分レポートの作り方自体に一定の知識が必要になります。

弊社が相談を受ける中では、レポートやダッシュボードの作り方が分からないまま運用しているという声を聞くことが少なくありません。 機能があることと、現場が自力で数字を見られることは別の話です。 誰がレポートを作るのかを決めないまま導入すると、集計のたびに担当者へ依頼が集中し、結果として数字を見る習慣が定着しづらくなります。

カスタマイズ性とAPI許容量の違い

Salesforceはカスタマイズ性が高く、Apex等を使った開発が可能である一方、HubSpotはノーコード中心の中程度のカスタマイズ性にとどまります。

API許容量については、SalesforceのEnterpriseプランの基本枠と比べると、HubSpotのEnterpriseプランの基本枠は約10倍とされています。 ただしこれはEnterpriseプランどうしの基本枠を比較した数字であり、Salesforceはライセンス数に応じて上限が伸びる仕組みのため、契約規模が大きい企業ほどこの差は縮まります。

この自由度の差は、設定変更を社内の誰ができるかという話につながります。作り込める幅が広いほど、設定を触れる人は限られていきます。

ワークフローによる自動化の仕組みは、以下の記事で解説しています。

HubSpotのワークフローとは?

AI機能の違い

HubSpotはBreezeというAI機能を標準搭載し、SalesforceはAgentforceというAIエージェントを前面に出しています。 Einsteinという名称も基盤技術として残っていますが、2025年以降の対話型AIはAgentforceに整理されました。

どちらも活用にはある程度の設計が必要です。なおHubSpotのBreezeはツール名ではなく、HubSpotに搭載されたAI機能の名称である点には注意が必要です。

使いやすさとサポートの違い

使いやすさの差は好みの問題ではなく、習熟にかかる時間と、設定変更を誰ができるかという運用体制の差として表れます。

運用体制に関わる違いを整理すると、次のようになります。

項目SalesforceHubSpot
習熟にかかる時間認定資格は7コース、1コースあたり80〜100時間基本コースが1つで習得は2時間程度
設計に必要な前提知識どの操作がどこに影響するかの事前知識が必要操作のイメージをもとに直感的に設計できる
設定変更をする人IT部門やSIerが入ることが多いマーケ・営業・カスタマーサポート部門の担当者でもできる
サポートの費用ライセンス料金の30%程度が別料金になるケースが多いライセンス費用に含まれる
サポートの応答契約グレードによって回答までの時間が変わる電話5分以内・メール1営業日以内とされている
導入までの期間要件定義から開発まで時間を要する1~3か月で導入できるケースが多い

ただし習熟時間の数字は、比較の前提が異なります。

習熟にかかる時間の差

Salesforceの認定資格は7コースに分かれ、1コースあたり80から100時間の学習が必要とされているのに対し、HubSpotは基本コースが1つで、習得にかかる時間は2時間程度とされています。

ただしSalesforceの数字は正式な認定資格7本分の総学習量、HubSpotの数字は入門コース1本分の所要時間であり、比較の前提が異なる点には注意が必要です。とはいえ、後任の担当者が同じところまで追いつくのにかかる時間という意味では、この差はそのまま引き継ぎのしやすさに影響します。

設計や操作の難しさにも同じことが言えます。Salesforceはどの操作がどこに影響するかの事前知識が必要で、設計や構築にはデータ構成やプロパティについての知識をあらかじめ持っておく必要があります。 HubSpotは操作のイメージをもとに、直感的にシナリオを設計できる作りになっています。

学習時間ではなく、現場が実際に使えるようになるまでの期間で見ると、弊社が支援したHubSpotの案件はおおむね2ヶ月程度です。無料で使えるHubSpot Academyがあるため、自分で学びたい人はそこで進められます。社内に詳しい人を育てたい場合、導入時の教育を支援会社に頼りきらずに済みます。

設定変更を誰ができるか

Salesforceは自由度が高い分、設定を理解している担当者が社内に1人しかいないという状態に陥りやすく、IT部門やSIerの関与が前提になりやすい傾向があります。HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサポート部門内で、設定変更を含めて完結しやすいツールです。

この違いは選定時点では見えにくいものですが、運用が始まってから表面化してきます。ワークフローの修正や新しい項目の追加といった日常的な作業を、誰がどれくらいのスピードでできるかは、導入後の使い勝手を大きく左右します。

サポートがライセンスに含まれるかどうか

サポートに追加費用を払わずに問い合わせられるかどうかで、運用改善スピードが変わります。 HubSpotは電話・チャット・ナレッジベースによるサポートがライセンス費用に含まれ、日本語は9時から18時、英語は24時間対応で、電話は5分以内、メールは1営業日以内に返信するとされています。

契約開始から一定期間は導入支援の担当者がつき、その後はカスタマーサクセスマネージャーが引き継ぐ体制です。 Salesforceのサポートは内容が充実していますが、費用が別料金になりやすいことは前の章で触れたとおりです。契約しているサポートのグレードによっては、問い合わせてもすぐに回答を得られないことがあります。

最上位のサポートプランでも解決が遅れた事例

弊社が把握している事例では、最上位のサポートプランに加入していても、タイムリーな対応が得られず問題解決に時間を要していたケースがあります。 あるBtoB SaaS企業では、Salesforceとメール配信ツールを併用していましたが、機能に対して業務の規模が見合っておらず、現場がうまく使いこなせない状態が続いていました。 サポート契約自体はしていたものの、問い合わせてから解決までに1週間程度の時間がかかっていました。

HubSpotへ移行した後は、現場担当者でも画面を見るだけで基本的な使い方を理解でき、困ったときにメールやチャットで質問して迅速に解決できるようになったとのことです。 オンボーディングは約1ヶ月で完了し、現場への教育コストもかかりませんでした。

機能が足りなかったのではなく、業務の規模に対してツールが持つ複雑さが見合っていなかったことが、この事例からも分かります。似た業種でHubSpotを活用した事例は、以下の記事でも紹介しています。

SaaS企業のHubSpot導入事例

導入までの期間の違い

Salesforceは要件定義から開発まで時間を要するのに対し、HubSpotは1~3か月で導入できるケースが多くなっています。

作り込む範囲が広いほど、要件定義・設計・開発・テストという工程が必要になるため、導入までの期間は延びます。標準機能の組み合わせで完結させられる範囲が広いほど、導入は早く進みます。

スプレッドシート管理から移行したケースの実例は、以下の記事で紹介しています。

スプレッドシート管理の限界を迎えた日

導入後に形骸化する分岐点

ツールが形骸化するのは製品の優劣ではなく、作り込みを増やすほど運用が特定の人に依存していくためです。弊社が支援してきた現場でも、同じ形の詰まり方を繰り返し見てきました。

入力する人と設計する人が断絶して属人化する

属人化の正体は、担当者が辞めると困るということだけではなく、入力する人と設計する人が連携が取れていないことにあります。 弊社が支援してきた範囲では、入力担当者は言われたとおりに入力しているだけで、裏側のデータ構造を把握していないケースが8割方を占めます。

複雑化する要因としては、カスタムオブジェクトが複数作られて標準オブジェクトと関連付いていること、ビジネスモデルによっては受注ベース・売上ベース・請求ベースの金額をそれぞれツール単体で管理していることが挙げられます。 結果として、どこをどう設定すれば改善できるのか誰も分からなくなり、レポートやダッシュボードの作り方さえ分からないという状態に至る会社も少なくありません。

この構造は弊社の実務感覚だけの話ではありません。IPA(情報処理推進機構)のレガシーシステムモダン化委員会が2025年5月にまとめた総括レポートでは、ユーザー企業の61%がレガシーシステムを保有しており、補完機能やカスタマイズ箇所が増えて人手で運用をカバーせざるを得なくなること、運用維持保守が属人的な状態に陥ることがレガシー化の要因として挙げられています。

レガシーシステムモダン化委員会 総括レポート(IPA)

Salesforceからの乗り換えを検討している場合、定着しない原因をさらに深掘りした記事を以下で解説しています。

Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

商談1件に入力項目が50〜60ある状態

弊社が支援してきた範囲では、会社によって差はあるものの、商談レコード1件あたりの入力項目は50から60項目、そのうち3分の2程度が必須入力項目になっているというケースが平均的なイメージです。

必須項目は100%埋まりますが、それ以外の項目はほとんど歯抜けの状態になります。必須にしなければ埋まらない、必須にすれば現場の入力が重くなる。多くの会社がこの板挟みになっています。項目を増やしたからといって、使えるデータが増えるわけではありません。

入力される項目の温度感を測るスコアリングの考え方は、以下の記事で解説しています。

HubSpotのスコアリングとは?

帳票のような業務は外部ツールに渡す

請求書などの帳票を作りたいという要望は、CRMの中で作り込まず、外部ツールに渡した方がうまくいきます。弊社が対応した例でも、CRMの中で帳票を作りたいという相談に対して、freeeやBoardといった外部ツールとの連携を提案しました。

バックオフィス側のオペレーションも一部変えてもらい、データを同期させて二重入力を防ぐ形にしたことで、依頼元にも納得してもらえました。CRMの中で全部をやろうとせず、外部ツールに渡すべき業務は渡すという判断が、Fit to Standardの具体例になります。

受注・売上・請求で計上タイミングがずれる場合の扱い

受注・売上・請求で計上タイミングがずれる場合の対応は、外部ツールに寄せるか、取引を分割して持つかの2パターンになります。

ずれが起きる理由は計上の単位にあります。月額3万円の年間契約であれば、受注は36万円で立ちますが、売上は月々3万円が12ヶ月に分かれ、請求ベースではさらに1ヶ月ずれます。HubSpotはクローズ日というプロパティ1つに対して1つの取引を作るため、基本は受注ベースの入力になります。

1つ目のパターンは、取引に商品項目を作って受注明細を出せるようにし、請求・売上ベースは外部ツールで見る形にする方法です。2つ目は3万円の取引を12件複製する方法で、手動での複製、インポート機能を使った一括登録、連携システムによる自動複製といった手段があります。

どちらを選ぶかは、自社がどこまでをCRMの中で完結させたいかという判断そのものであり、これも標準機能に寄せるか作り込むかという線引きの一例です。

選定時に確認する3つの観点

選定前に確認すべきは、専任の推進者が社内にいるか、CRMに今どこまでの機能を求めるか、他部門やバックオフィスの相乗りがあるかの3点です。弊社が新規の相談を受ける際も、必ずこの3点を確認しています。

  • CRMの構築運用を推進する専任のプロジェクトリーダーが社内にいるか
  • CRMに今どこまでの機能を求めるか
  • マーケティング・セールス・カスタマーサクセス以外の部門やバックオフィスが相乗りして、ERP(基幹システム)のような使い方をCRMに求めているか

3つ目は、営業・マーケ以外の部門の業務がどこまで乗っているかという判断軸そのものです。ここが重いほど、ツールを変えたときに動かす範囲が広がります。

見積書に出ない費用の実態

総額を決めるのはライセンス費ではなく、初期実装・カスタマイズ費と、運用する人の工数です。カタログの月額料金だけを見て予算を組むと、後から想定外の費用に気づくことになりやすくなります。

費用構造の3層

HubSpot・Salesforceのどちらでも、費用はライセンス費、初期実装・カスタマイズ費、運用者の人件費・工数という3層で構成されます。

ライセンス費はツール提供元に支払う利用料金で、プランとシート数・ユーザー数で決まります。初期実装・カスタマイズ費は支援会社や自社の担当者が業務設計・構築を行う費用で、ここに幅が生まれやすくなります。運用者の人件費・工数は、金額として請求されないため見落とされがちですが、実際には確実に発生している費用です。

費用の層中身見積書での見え方
ライセンス費プランとシート数・ユーザー数で決まる利用料金。HubSpotは最初に1回かかる導入支援の費用も含む明示される
初期実装・カスタマイズ費業務設計・構築・データ移行・オペレーション設計明示されるが範囲で大きく振れる
運用者の人件費・工数設定変更、レポート作成、現場への教育、入力状況の管理請求されないため見積書に出ない

見積もりを比較するときは、その金額が3層のどこを指しているかをまず確認します。HubSpotの導入に100万円かかったという話も、ライセンス費込みなのか支援費だけなのかで意味がまったく変わります。

設定工数はワークフローとレポートに偏る

見積もりの中身を分解すると、工数はワークフローとレポートの設定・作り直しに集中しやすくなっています。ライセンス費に目が行きがちですが、実際に時間がかかるのは、画面を作る作業よりも業務ロジックを組み立てる作業です。

要件定義に含まれる作業も、業務把握・システム把握・要件定義そのもの・システム設計・オペレーション設計・項目把握と幅広くなります。データを移すだけでなく、オペレーション設計まで含めて初めて構築や移行が完了するという前提で見積もりを見ておくと、実態に近づきます。

運用開始後にかかる改修費用

見積もりに入っていないのに後から発生する費用で大きいのが、運用を始めてからの改修費用です。構築フェーズで作ったものが実際の運用と合っておらず、追加の開発が必要になる場面があります。

このとき、社内にSalesforceの認定資格を持つシステム管理者がいないと、改修をすべて外部に頼むことになります。弊社が見てきた範囲では、この改修費用が数百万円になるケースがあります。

構築時の見積もりだけを見て判断すると、この費用は視界に入りません。運用に乗せたあと誰が直せるのかを、契約する前に決めておく必要があります。

HubSpot導入支援の費用目安

弊社の初期構築支援は、初期費用30万円に加えて、月額30万円を2から3ヶ月という料金体系です。プロジェクトの期間はおおむね2から3ヶ月が多く、総額では90万円から120万円程度が平均的な目安になります。

構築する範囲が広がれば期間が伸び、期間が伸びれば費用も上がります。費用の差は値付けの差ではなく、作業量の差です。

内訳の詳細は、以下の記事で解説しています。

HubSpot導入支援の費用相場|内訳とコストの抑え方

乗り換えを伴う場合の費用と期間

Salesforceなど既存ツールからの乗り換えを伴う場合は、カスタムアプリがなければ月額35万円から60万円程度、カスタムアプリがある場合は1つにつき50万円から200万円程度の連携開発費が別途必要になります。期間は弊社の支援実績で3から6ヶ月が目安です。

乗り換えの見積もりが跳ねる最大の要因は、このカスタムアプリの引き継ぎです。Salesforce内に承認フローや独自の帳票、部門固有の業務ロジックを組み込んだカスタムアプリを作り込んでいる場合、そのまま移行先に持ち込むことはできず、同等の機能を持つシステムを別途開発する必要が出てきます。

乗り換えの費用と実務の詳細は、以下の記事で解説しています。

Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

HubSpot導入支援会社おすすめ10選と費用相場

マーケと営業で選ぶ判断軸

選ぶ基準はツールの機能ではなく、リード獲得から商談・受注までのデータを1つのツールで繋ぐ必要があるかどうか、そして営業・マーケ以外の部門の業務がどこまでツールに乗っているかです。

弊社に寄せられる相談で多いのは、どちらが自社に適しているかという問いです。部門間で意見が割れているという話は、実際にはあまり出てきません。

マーケティング部門から見た判断軸

インバウンドでリードを獲得し、Webサイトやメールでの行動履歴まで可視化したい場合は、MA機能が標準搭載されたHubSpotとの相性がよくなります。

問い合わせや資料請求の後、リードがどのページを見て、どのメールを開封したかといった行動データを、営業に渡す商談情報と同じコンタクトの中で一元管理できる点が、マーケティング部門にとっての判断材料になります。

営業部門から見た判断軸

商談プロセスが複雑で、承認フローや見積の作り込みが必要な場合は、カスタマイズの自由度が高いSalesforceとの相性がよくなります。

複数の承認者を経る商談プロセスや、商品構成によって見積書のフォーマットが変わるような複雑な商流を持つ場合、Salesforceの作り込める設計が力を発揮します。標準機能の範囲で完結できる商談プロセスであれば、HubSpotでも十分に対応できます。

リード獲得から受注までのデータが1つで繋がるか

問い合わせフォームの入力から受注までを1つのプラットフォームで繋ぐ必要があるかどうかが、マーケティング部門と営業部門の双方にとっての分岐点になります。

ツールが分かれると、同じ顧客の情報が二重管理になり、どこから来たリードが受注したのかが追えなくなります。ツールを分けて連携させる選択肢もありますが、連携の設定と維持にも工数がかかります。

コンタクト単位でデータを一元管理する設計の基本は、以下の記事で解説しています。

HubSpotのコンタクトとは?

他部門が相乗りしてERPのように使っていないかを先に確認する

マーケティング・セールス・カスタマーサクセス以外の部門やバックオフィスがCRMに相乗りし、基幹システムのような使い方を求めているかどうかで、選べる範囲が変わります。

請求書の発行や入金確認、売上管理まで一つのツールに乗せている場合は、営業都合でツールを選び直すと、経理や管理部門の業務フローまで変更することになります。ツールを選ぶ前に、自社の業務がどこまでツールに乗っているかを棚卸ししておくと、選定後の手戻りを防ぎやすくなります。

相乗りしている部門があっても、見える情報を分ける方法はあります。機能比較の章で触れたアクセス権限の設定がそれにあたりますが、どこまで細かく分けるかで必要なプランが変わります。

企業タイプ別の向き不向き

企業規模だけでは決まりません。専任の管理者を置けるかどうかと、商流の複雑さという2つの軸で向き不向きが分かれます。

企業タイプ専任管理者商流の複雑さ向く傾向
中小企業・スタートアップ置きにくいシンプルHubSpot
大企業・複雑な商流置ける複雑Salesforce
成長企業(拡大途中)これから検討これから複雑化現状の体制に合わせて選び、拡張性を残す

専任のシステム管理者を置きにくく、標準機能の範囲で業務を回したい場合はHubSpotが向きます。1~3か月で導入でき、マーケティングと営業部門内で設定変更が完結しやすいためです。無料プランから段階的に始められる点も、初期投資を抑えたい企業には判断材料になります。逆に、複雑な承認フローや商流があり、専任のシステム管理者を置ける体制があるならSalesforceが向きます。要件を細かく作り込める自由度は、大企業特有の業務フローを表現するのに適しています。

判断が割れやすいのは拡大途中の成長企業です。売上規模は大きくなってきたもののシステム管理を専任で見られる人材がまだいない、営業組織はまだシンプルだが今後複雑になる見込みがある。こうした状態で機能の多さだけを見て選ぶと、運用が追いつかなくなることがあります。判断に迷う場合は、外部の支援会社やコンサルタントに相談する方法もあります。コンサルタントの選び方は、以下の記事で解説しています。

HubSpotコンサルとは?プロが失敗しない選び方と4タイプを紹介

自社にどこまでの支援が必要かを判断する材料として、導入支援会社の選び方も参考になります。

HubSpot導入支援会社おすすめ10選と費用相場

併用と乗り換えの選択肢

どちらか一方に決めきれない場合は、マーケティングがHubSpot、営業がSalesforceという併用も選択肢になります。ただし同期の設計を先に決めないと、データの二重管理になります。

マーケはHubSpot、営業はSalesforceという併用パターン

マーケティング部門がインバウンドのリード獲得・育成にHubSpotを使い、営業部門が複雑な商談管理にSalesforceを使うという併用は、実際に選ばれることがあるパターンです。それぞれの部門が得意な機能を持つツールを使える一方、連携の設計と維持に継続的な工数がかかります。

併用するなら、どのタイミングでどちらのツールが正のデータを持つかを、あらかじめ決めておく必要があります。リードの段階まではHubSpot、商談化した後はSalesforceといった役割分担を先に決め、連携ツールでコンタクト情報や商談ステータスを同期させます。

この設計を後回しにすると、同じ顧客の情報が2箇所でずれます。どちらを見れば最新の情報が分かるのかが曖昧なままだと、併用の利点より混乱の方が大きくなります。

乗り換えを選ぶ場合の進め方

併用ではなく乗り換えを選ぶ場合は、営業・マーケ以外の部門の業務がどこまで乗っているかの棚卸しから始めることになります。

乗り換えの判断基準、移行実務でつまずきやすいポイント、費用と期間の目安は、以下の記事で詳しく解説しています。
Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

HubSpot公式でも、Salesforceからの移行に関する情報が公開されています。
SalesforceからHubSpotへの移行|HubSpot公式

HubSpot比較のよくある質問

HubSpotとSalesforceはどちらが安いですか?

シンプルな機能構成で少人数から始めるなら、HubSpotの方が総額を抑えやすくなります。
HubSpotは電話・チャット・ナレッジベースのサポートがライセンスに含まれ、無料プランからも始められます。Salesforceは機能の自由度が高い分、サポート費用が別料金になりやすく、機能を足すたびに上位プランへ移る必要も出てきます。ただし、自社に必要な機能の範囲によって総額は変わるため、単純な比較はできません。

カスタマイズ性が高いのはどちらですか?

カスタマイズ性はSalesforceの方が高くなっています。
Apex等を使った開発が可能で、独自の業務ロジックを組み込める自由度があります。HubSpotはノーコード中心の中程度のカスタマイズ性にとどまりますが、その分、設計に専門知識を持つ担当者がいなくても運用しやすいという利点があります。

Salesforceが定着しないのはなぜですか?

定着しない原因は機能不足ではなく、入力する人と設計する人が断絶し、運用が属人化することにあります。
弊社が支援してきた範囲では、商談レコード1件あたりの入力項目が50から60項目あり、そのうち必須以外の項目がほとんど埋まらないというケースが多くなっています。詳しい原因の因果連鎖は、以下の記事で解説しています。
Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

HubSpotとSalesforceは併用できますか?

併用は可能で、マーケティングがHubSpot、営業がSalesforceという役割分担で使われることがあります。
どちらのツールが正のデータを持つかという同期設計を先に決めておかないと、データの二重管理につながりやすくなります。

SalesforceからHubSpotへの乗り換えは簡単ですか?

簡単ではなく、カスタムアプリの引き継ぎとデータモデルの違いによる作り直しが伴います。
弊社の支援実績では、移行にかかる期間は3から6ヶ月が目安です。乗り換えの実務的なつまずきポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
Salesforce乗り換えの判断基準と移行実務

中小企業にはどちらが向いていますか?

専任のシステム管理者を置きにくい中小企業には、HubSpotが向いている傾向があります。
1~3か月で導入でき、マーケティング・営業部門内で設定変更が完結しやすい運用体制が理由です。ただし、商流が複雑な場合はこの限りではありません。

どちらか判断できないときは何から始めればいいですか?

自社の業務のうち、どこまでを1つのツールに乗せたいか、専任の管理者を置けるかどうかを棚卸しすることから始めます。
弊社では、現在の利用状況や検討している理由をヒアリングしたうえで、どちらが向いているかをフラットにお伝えしています。
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まとめと次のアクション

HubSpotとSalesforceの違いは、標準機能に業務を合わせるか、業務に合わせて作り込むかという設計思想の差にあります。

料金はHubSpotがシート課金、Salesforceがユーザー課金を基本とし、機能はどちらも基本のCRM・SFA機能が揃っています。差が出るのはカスタマイズの自由度と、それを扱える体制の有無です。

導入後に形骸化するかどうかは、作り込みが増えるほど運用が属人化するという構造で決まります。見積書に出ない費用を左右するのはライセンス費ではなく、初期実装・カスタマイズ費と運用する人の工数です。選ぶ基準は、リード獲得から受注までのデータを1つのツールで繋ぐ必要があるかどうかと、営業・マーケ以外の部門の業務がどこまでツールに乗っているかにあります。

判断軸はここまでで示しましたが、最終的な判断は自社の業務の広がり方や、社内の体制次第で変わる部分が大きいと考えています。

株式会社グロースパイロットは、マーケティングと営業の両方の現場を知る立場から、HubSpotの新規導入や、Salesforceからの乗り換え検討にも対応しています。自社にはどちらが向いているのか、判断材料をもう少し整理したいという段階でのご相談も歓迎しています。

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中山勇太郎

中山勇太郎

代表取締役

HubSpot認定パートナー企業のグロースパイロットの代表として、BtoBマーケティング×営業プロセスの全体設計を専門とする。
人材・コンサル・広告を中心としたBtoB企業で営業およびマーケティングの実務を7年、HubSpotの新規導入や活用支援をこれまで6年間で60社/100プロジェクト以上支援。