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HubSpotで顧客管理を効率化する方法|設計・運用・定着まで実務手順を解説【2026年最新】

HubSpot

この記事でわかること

  • HubSpotで顧客管理を始める前に決めるべき「設計の3ステップ」
  • IT・人材・コンサル・BPO業種別のコンタクト設計パターン
  • 「入れたのに使われない」を防ぐ定着化の実務手順
  • 無料版でできること・有料版が必要になるタイミングの判断基準

なぜ導入しただけで終わるのか

HubSpotを導入した企業の多くが直面する課題は、HubSpotを導入したのに顧客管理が変わらないという状態です。

原因はほぼ共通しています。

  • 何を・誰が・いつ入力するかのルールを決めていない
  • 自社の営業プロセスに合わせた設計をしていない
  • 「入力することのメリット」が現場に伝わっていない

HubSpotはあくまでデータが入力されて初めて機能します。この記事では、ツールの説明より「どう設計し、どう定着させるか」という実務手順に焦点を当てて記載していきます。

1. 顧客管理設計の3ステップ

ステップ1:管理対象と入力ルールを決める

まず「何を管理するか」を明確にします。HubSpotのCRMは大きく3つのオブジェクト(データの種類)で構成されます。

オブジェクト用途入力必須項目の例
コンタクト個人(担当者・決裁者)の情報氏名・会社名・役職・メール・電話番号
会社(Company)取引先企業の情報会社名・業種・従業員規模・担当営業
取引(Deal)商談・案件の情報案件名・金額・クローズ予定日・ステージ

最初から全項目を入力必須にすると現場の負担が増え、入力率が下がります。「最低限これだけあれば営業できる」という項目に絞るのが定着のコツです。

ステップ2:パイプライン(商談ステージ)を自社の営業プロセスに合わせる

HubSpotのデフォルトのパイプラインは汎用設定です。自社の実際の営業プロセスに合わせてステージ名と確度(%)を設定し直すことが重要です。
BtoB企業の典型的なパイプライン例として以下のような設計をしましょう。

新規リード → アポイント獲得済 → 初回商談完了 → 提案書提出 → 見積提出 → 契約調整中 → 受注 / 失注

各ステージに「次のアクション」と「目安の滞在期間」を定義しておくと、どの案件が停滞しているかが一目でわかります。

ステップ3:自動化できる作業を特定する

設計段階で「手動でやっていることをHubSpotで自動化できないか」を洗い出します。
例えば以下のようなものがあります。

  • フォーム送信 → コンタクト自動登録:手入力ゼロでリードが蓄積される
  • メール開封 → 担当者にSlack通知:フォローアップのタイミングを逃さない仕組みができる
  • 案件がX日以上停滞 → アラートメール送信:放置案件を防ぐ仕組みができる
  • 契約後7日 → オンボーディングメール自動配信:CS対応の省力化できる

2. 業種別:コンタクト設計の具体パターン

IT・SaaS企業の場合

コンタクトに「リードソース」「MQL判定フラグ」「スコア」のカスタムプロパティを追加します。Web行動スコア(ページ閲覧数・資料DL・価格ページ訪問)を自動集計し、スコアが一定値を超えたら営業担当に自動アサインされる設計が最も効果的です。

また「トライアル中」「本契約」「解約リスク」のライフサイクルステージを独自に設定し、CS担当が管理するコンタクトと営業が管理するコンタクトを分けて運用します。

人材紹介・派遣会社の場合

求職者と求人企業で別々のパイプラインを設計します。

  • 求職者パイプライン:登録 → 初回面談 → スキルシート作成 → 推薦 → 選考中 → 内定 → 入社
  • 求人企業パイプライン:ニーズヒアリング → 候補者提案 → 選考スタート → 成約

求職者のコンタクトには「希望職種」「希望年収」「転職意欲」「推薦可否」をカスタムプロパティで管理。
求人企業のコンタクトには「採用予算」「採用人数」「緊急度」を追加します。コンタクトと取引を紐付けることで、「この求職者はどの企業に推薦されているか」が一目でわかる管理が実現します。

コンサルティング会社の場合

案件の複雑さに応じて、1つの会社に対して複数のパイプライン(プロジェクトA・プロジェクトB)を管理できます。コンタクトには「決裁者か担当者か」の役割分類と、「前回接触日」「次回アクション予定日」を必須項目に設定します。

提案書ファイルをコンタクトに添付し、メール送信時の開封追跡を有効にすることで、「提案書を読んでいる」タイミングでのフォローアップが可能になります。

営業代行・BPO会社の場合

クライアント企業ごとに独立したパイプラインを作成し、案件の進捗を分けて管理します。
コンタクトには「所属クライアント名」のカスタムプロパティを追加し、スタッフとクライアントのどちらの案件かをフィルタリングできるようにします。

ダッシュボードをクライアント別に作成し、「今週の架電数」「アポ獲得数」「商談化数」を自動集計することで、報告資料の作成工数を大幅に削減できます。

3. 顧客管理を定着させる実務手順

週次ルーティンを設計する

HubSpotを定着させるために最も効果的なのは「使わないと困る状態を作ること」です。具体的には以下のルーティンを設計します。

月曜日: マネージャーがパイプラインを確認し、停滞案件をチームにフィードバック
毎日: 商談後に取引ステージを更新し、次のアクションをタスクとして登録
週次: ダッシュボードで個人・チームのKPIを確認してMTGで共有

「HubSpotを見ないと会議で発言できない」という状況を意図的に作ることが、最速の定着方法です。

入力の手間を最小化する設計

現場の抵抗を減らすには、「入力の手間 < 入力によるメリット」を実感させることが重要です。

  • メール自動記録:GmailやOutlookを連携すれば、メール送受信がCRMに自動記録されます。
  • 通話ログの自動化:Sales Hub Professional以上では通話録音・自動文字起こしが可能。商談メモを後で書く必要がなくなります。
  • 名刺取り込み:モバイルアプリで名刺を撮影するとコンタクトに自動登録されます。

「誰が何を入力しないとどうなるか」を可視化する

データが不完全な状態のコンタクト・取引を自動でリスト化するカスタムビューを作成します。たとえば「次回アクション日が未設定の取引」「会社名未入力のコンタクト」などを一覧化し、担当者に定期通知することで、データ品質を自然に維持できます。

4. 無料版 vs. 有料版:どのタイミングでアップグレードすべきか

やりたいこと無料版StarterProfessional
コンタクト・取引の管理
メール追跡・開封通知
パイプライン管理◎(1本)◎(2本)◎(15本)
ワークフロー(自動化)△(簡易)◎(高度)
シーケンス(営業メール自動化)
カスタムレポート
通話録音・文字起こし

アップグレードの判断基準:

  • Starterへ: 「複数パイプラインを管理したい」「メール配信数2,000通を超えた」「簡単な自動通知が欲しい」
  • Professionalへ: 「ワークフローでナーチャリングを自動化したい」「営業メールのシーケンスを組みたい」「カスタムレポートで経営報告したい」「通話を録音・文字起こしして営業品質を上げたい」

5. よくある質問(FAQ)

Q. HubSpotの顧客管理はどこから始めればいいですか?
まずは無料版でコンタクト・会社・取引の3つのオブジェクトに既存の顧客データをインポートすることから始めてください。CSVファイルで一括登録できます。
最初から全機能を使おうとせず、「パイプライン管理とメール記録だけ」に絞って運用を始めるのが定着の近道です。

Q. 既存のExcelやスプレッドシートからデータを移行できますか?
はい。CSV形式でエクスポートしたファイルをHubSpotにインポートできます。
会社名・氏名・メールアドレス・電話番号の4項目が揃っていれば問題なく移行できます。
移行前にデータの重複排除・表記ゆれの統一を行っておくと、後の管理が楽になります。

Q. 顧客管理の定着率を上げるコツは何ですか?
「入力しないと会議で話せない」状況を作ることが最も効果的です。
週次のパイプラインレビューをHubSpotのダッシュボードで行い、数字を確認しながら議論する文化を作ることで、自然とデータが蓄積されます。

Q. 営業代行会社がHubSpotで複数クライアントを管理するには?
取引のパイプライン上にクライアント毎のアプローチ先企業を作成し、コンタクトに「所属クライアント」のカスタムプロパティを追加することで管理できます。
クライアント別のダッシュボードを作成すれば、報告資料の作成もほぼ自動化できます。

Q. HubSpotの導入・設計支援を依頼できますか?
はい。株式会社グロースパイロットはHubSpot認定ソリューションパートナーとして、IT・人材・コンサル・BPO企業向けの設計・導入・定着支援を提供しています。
「どんな設計が自社に合うか」という相談から承ります。

まとめ

HubSpotで顧客管理を本当に効率化するには、「ツールを入れること」ではなく「設計と定着の仕組みを作ること」が重要です。

  1. 管理対象・入力ルール・パイプラインを自社プロセスに合わせて設計する
  2. 自動化できる作業を最初に洗い出す
  3. 「使わないと困る」週次ルーティンを意図的に作る

この3点が揃えば、HubSpotは「入れただけ」のツールから「毎日使う基盤」に変わります。

導入設計の無料相談はこちらから受け付けております。


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