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HubSpotのスコアリングとは?BtoB業種別のMQL設計テンプレートと設定方法を解説【2026年最新】

HubSpot

この記事でわかること

  • HubSpotスコアリングの仕組みとポジティブ・ネガティブの使い分け
  • IT・SaaS / 人材 / コンサル / BPO業種別のスコア設計テンプレート
  • 「何点でMQL(営業に引き渡す)」かの判断基準の作り方
  • 導入後にスコアリングが機能しなくなる原因と対処法

HubSpotスコアリングとは

HubSpotのスコアリングは、見込み顧客(リード)の行動・属性データをもとに「今どれくらい購買に近いか」を数値化する機能です。

スコアが高いリードを優先的に営業に渡すことで、限られた営業リソースを「今すぐ商談できる見込み客」に集中させられます。

スコアリングは大きく2種類で成り立ちます。

種類概要
行動スコア(Behavioral)Webサイト・メール・コンテンツへの行動を加点資料DL +10点、価格ページ閲覧 +5点
属性スコア(Demographic)企業規模・業種・役職などの属性情報を加点従業員100名以上 +10点、決裁者 +15点

BtoBの場合、属性スコアを行動スコアと同等以上に重視することが重要です。
中小企業の担当者がいくらページを閲覧しても、予算権限がなければ受注に至るまでのリードタイムが長くなってしまいます。

スコアリングの2種類:ポジティブとネガティブ

スコアリングというと、加点ルールばかりに目が行きますがきちんと減点ルールも定めておきましょう。

ポジティブスコアリング(加点)

購買意欲が高まっていることを示す行動・属性に対して加点します。

行動系の加点例:

行動推奨点数理由
価格・料金ページの閲覧+10点検討フェーズの明確なシグナル
事例・導入実績ページの閲覧+8点具体的な比較検討中
資料・ホワイトペーパーのダウンロード+10点情報収集の積極的なアクション
ウェビナー・セミナーへの参加+12点高い関与度
お問い合わせフォームの送信+20点最も強い購買シグナル
メールのクリック+3点関心の継続
同一週内に3ページ以上閲覧+5点集中的な情報収集

属性系の加点例:

属性推奨点数理由
役職が部長・マネージャー以上+15点意思決定権または影響力あり
従業員数50名以上+10点予算規模の目安
ターゲット業種に合致+10点自社サービス適合度
過去に商談経験あり+8点関係性の継続

ネガティブスコアリング(減点)

購買可能性が低い、または関与度が下がっているシグナルに対して減点します。

行動・属性推奨点数理由
メール配信停止-20点関心の明確な喪失
30日間のサイト未訪問-5点関与度の低下
メール3回連続未開封-5点エンゲージメント低下
採用ページのみ閲覧-10点求職目的の可能性
競合・学生・フリーランスと判明-25点購買可能性が低い
役職が「学生」「インターン」-15点予算権限なし

業種別:MQL設計テンプレート

BtoBでスコアリングが難しい理由の一つは「何点になったら営業に渡すか(MQLの閾値)」の決め方がわからないことです。
以下は業種別の設計テンプレートです。自社の状況に合わせて調整してください。

IT・SaaS企業向けテンプレート

MQL閾値の目安:40点以上

PLG(プロダクト主導型成長)モデルのSaaS企業では、フリートライアル・デモ申し込みなど製品接触行動を最重視します。

スコア条件点数
無料トライアル登録+25点
デモ申し込みフォームの閲覧+15点
料金ページを週2回以上閲覧+12点
機能紹介ページを3ページ以上閲覧+8点
事例ページの閲覧+8点
従業員50名以上の企業+10点
IT業種・SaaS業種に合致+8点
決裁者・マネージャー以上+15点
30日間ログインなし(試用中ユーザー)-10点
採用ページのみ閲覧-10点

MQLアクション: スコア40点到達時点でSales HubのシーケンスがトリガーされてSDRに自動アサイン+Slack通知。

人材紹介・派遣会社向けテンプレート

MQL閾値の目安:35点以上(求人企業側)

人材業界は求職者と求人企業でスコアリングを完全に分離して設計します。ここでは求人企業(クライアント)側の設計を示します。

スコア条件点数
採用コスト・費用ページの閲覧+12点
人材紹介事例ページの閲覧+10点
採用相談フォームの送信+25点
求人票フォーマットのダウンロード+15点
採用セミナーへの参加+12点
人事・採用担当者の役職+15点
従業員30名以上の企業+8点
ターゲット業種(IT・製造・物流等)に合致+10点
過去に紹介実績あり+10点
メール3回連続未開封-5点

MQLアクション: スコア35点到達でキャリアコンサルタントが48時間以内に架電するタスクを自動生成。

コンサルティング会社向けテンプレート

MQL閾値の目安:45点以上

コンサル案件は検討期間が長く、決裁者の属性スコアを重視します。行動スコアだけが高くても担当者レベルでは受注に至らないことが多いため、役職・企業規模の属性加点を高めに設定します。

スコア条件点数
相談・問い合わせフォームの送信+30点
支援事例・実績ページの閲覧+12点
サービス詳細ページの複数閲覧+10点
料金・費用感ページの閲覧+12点
資料・事例集のダウンロード+10点
経営者・役員・部長以上の役職+20点
従業員100名以上+10点
過去にセミナー参加歴あり+8点
14日間サイト未訪問-5点
「採用」「求人」関連ページのみ閲覧-15点

MQLアクション: スコア45点到達でパートナー・シニアコンサルタントへのアサイン通知。提案書テンプレートの準備タスクを自動生成。

営業代行・BPO会社向けテンプレート

MQL閾値の目安:35点以上

BPO案件は課題の緊急度・具体性を示す行動を重視します。「今すぐ外注したい」サインを検知するスコア設計にします。

スコア条件点数
無料相談・お問い合わせフォームの送信+25点
サービス別詳細ページの閲覧(営業代行/給与計算/広告等)+12点
導入事例ページの閲覧+10点
費用・料金シミュレーターの使用+15点
特定サービスページを週3回以上閲覧+10点
営業責任者・管理部門長の役職+15点
従業員20名以上+8点
ターゲット業種に合致+8点
競合他社のサービスページも閲覧+5点(比較検討中のシグナル)
メール配信停止-20点

MQLアクション: スコア35点到達で担当者へメール通知+翌営業日中に架電タスクを自動生成。

スコアリングの設定手順(HubSpot管理画面)

HubSpotのスコアリング設定は、管理画面の「設定 → データ管理 → プロパティ」から行います。

  1. 管理画面右上の「設定(歯車アイコン)」をクリック
  2. 左サイドバーで「データ管理」→「プロパティ」を選択
  3. 検索欄に「HubSpot」と入力し「HubSpotスコア」を選択
  4. 「プロパティを編集」をクリック
  5. 「フィールドタイプ」から「スコア」を選択
  6. 「条件を追加」でポジティブ(加点)・ネガティブ(減点)条件をそれぞれ設定

設定のコツ:

  • 最初は5〜7条件に絞ってシンプルに始める
  • 条件を増やしすぎると「なぜこのスコアか」が説明できなくなる
  • 3ヶ月ごとに「スコアの高いリードが実際に受注につながっているか」を検証して調整する

「スコアリングを入れたのに機能しない」3つの原因

原因①:行動スコアだけで属性スコアを設定していない

Webページを大量に閲覧している学生・競合担当者・求職者のスコアが高くなり、営業が無駄なアプローチをしてしまいます。属性スコア(役職・企業規模・業種)を行動スコアと同等以上に設計することで改善します。

原因②:MQLの閾値を高くしすぎている

「確実に受注できそうな人だけ渡したい」と閾値を高く設定すると、MQLが月に数件しか発生せず、スコアリングの意味がなくなります。まずは閾値を低めに設定し、営業からのフィードバックをもとに徐々に引き上げるのが正しい調整方法です。

原因③:スコアを見直していない

新しいサービスをリリースした、ターゲット業種を変えた、LP構成を変えた——こうした変化があってもスコアリングのルールを放置すると、実態に合わないスコアが出続けます。四半期に1回、受注実績とスコアデータを照合して見直すサイクルを設計に組み込んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. HubSpotのスコアリングはどのプランから使えますか?
基本的なHubSpotスコア(コンタクトスコア)は無料版でも利用できます。ただし、より高度なカスタムスコアリングや複数スコアの使用はMarketing Hub Professional以上が必要です。

Q. BtoBはサンプル数が少なくてスコアリングの精度が出ないのでは?
その通りで、BtoBはBtoCと異なりリード数が数百〜数千件規模のことが多く、統計的な精度は低くなります。そのため、データだけでなく営業担当者のヒアリングと組み合わせてモデルを構築することが重要です。「過去の受注案件にどんな行動パターンがあったか」を営業に聞いて、それをスコアリングに反映させる方法が実務では最も効果的です。

Q. IT・SaaS企業向けと他業種でスコアリングの設計は変わりますか?
大きく変わります。SaaS企業ではフリートライアル・デモ申し込みなどの製品接触行動が最重要シグナルですが、コンサルや人材紹介では役職・企業規模などの属性スコアがより重要になります。業種に合わせた設計が必須です。

Q. スコアが高いのに受注につながらない場合はどうすればよいですか?
「高スコアなのに受注しない」パターンを分析し、そのリードに共通する属性や行動を特定して減点条件に追加します。例えば「競合他社の社員」「予算権限のない担当者」「情報収集目的の学生」などが典型例です。

Q. スコアリングはワークフローと組み合わせられますか?
はい。「スコアが40点を超えたら担当者にSlack通知」「スコアが60点を超えたらシーケンスを自動開始」といったワークフロー自動化と組み合わせることで、スコアリングの効果が最大化します。Marketing Hub ProfessionalまたはSales Hub Professionalが必要です。

まとめ

HubSpotのスコアリングは「設定すれば自動で機能する魔法のツール」ではなく、自社の営業プロセスと受注データをもとに設計・継続改善するものです。

  • 行動スコアと属性スコアを組み合わせる
  • 業種に合わせたMQLの閾値を設計する
  • 四半期ごとに受注実績と照合して見直す

この3点を実践するだけで、スコアリングの精度は大きく向上します。

設計・設定支援の無料相談はこちらからお受付しております。

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