Blog ブログ

【HubSpot】ナレッジベース機能とは?使い方、導入メリット、作成方法をステップバイステップで解説

HubSpot

「HubSpotを導入したけど、ナレッジベースって本当に必要なの?」
「導入した方がいいのはわかるけど、何から始めたらいいんだろう…」
そんな疑問をお持ちではありませんか?

この記事では、HubSpotナレッジベースを導入することで得られる具体的なメリットから、スムーズな立ち上げのための注意点、そして実際の作成方法をステップバイステップで徹底的に解説します。

もし、HubSpotのナレッジベースならではのメリットを知らないまま導入を見送ってしまうと、顧客からの問い合わせ対応に、貴重な時間とリソースを費やし続け、本来注力すべき業務に手が回らなくなるかもしれません。

その結果、顧客体験で競合他社に差をつけられ、ビジネスの競争力を大きく損なう可能性も否定できません。

ぜひ、本記事を参考にHubSpotのナレッジベースを活用して、顧客にも社内にも嬉しい、最高の顧客体験を実現しましょう。

HubSpotのナレッジベース機能とは?

HubSpotのナレッジベース機能は、顧客が抱える疑問や問題を、自ら解決できるようサポートするオンラインヘルプシステムです。

具体的には、企業のWebサイト上によくある質問(FAQ)、製品の操作マニュアル、トラブルシューティングガイドといったサポートコンテンツをまとめて公開・管理することができます。

顧客は、キーワード検索を利用して必要な情報に迅速にアクセスできるため、サポート担当者を待つことなく疑問を解消できるでしょう。

株式会社プロシードの調査によると、多くの企業が、顧客の間で「自分で問題を解決したい」というニーズが顕著になっていると認識しています。

従来の電話や対面でのサポートに比べ、ウェブチャットやセルフサービステクノロジー(SST)を好む顧客が増加している傾向が明らかになりました。

これは、現代の顧客が、時間を無駄にしたくないと考え、自分のタイミングで素早く答えを得ることを重視する傾向が強まっていることを示唆しています。

ナレッジベースがあれば、顧客は営業時間外やサポート担当者が対応できない状況でも、必要な情報をすぐに探し出すことが可能です。この利便性によって顧客体験が向上し、企業に対する信頼感も高まります。

さらに、よくある質問とその回答をまとめておくことで、サポートチームへの問い合わせ件数を減らし、担当者はより複雑な問題への対応に集中できるようになります。

このように、ナレッジベースは顧客と企業双方にとって大きなメリットをもたらす機能と言えるでしょう。

ナレッジベースとFAQの違い

ナレッジベースとFAQサイトは混同されがちですが、本来、その範囲や構造に違いがあります。

ナレッジベースFAQ 
定義製品・サービス業務に関する情報、知識、ノウハウを集約したデータベース特定の製品・サービスに関して、顧客から頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたもの
範囲製品マニュアルトラブルシューティング業務プロセスFAQ特定のよくある質問に焦点を当て、簡潔な回答を提供する
構造カテゴリ分け、タグ付け、相互リンクなどが活用される質問と回答がリスト形式で表示される
位置づけFAQを含む、大きな情報提供の基盤ナレッジベースを構成する要素の一つ
製品の完全なオンラインマニュアル特定の機能に関する詳細な解説記事技術的なトラブルシューティングガイド「パスワードを忘れた場合はどうすればいいですか?」「送料はいくらですか?」「〇〇の動作環境は?」

ナレッジベースは、製品やサービスに関する説明だけでなく、業務を通じて得られた知識やノウハウ、ベストプラクティスなど、より広範囲な情報を集約したものです。

FAQもナレッジベースの一部として含まれることが多く、製品の利用方法を網羅的に解説するマニュアルやトラブルシューティングの手順などが該当します。

一方、FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)は、顧客から頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたもので、ナレッジベースの一種と捉えることができます。

大きな違いとして、FAQサイトは特定の問題に対する、直接的な解決策を提供する点が上げられるでしょう。

例としては「ログインができなくなった場合、どうすれば良いですか?」「ユーザーを追加する方法を教えてください」といったものが挙げられます。

HubSpotでナレッジべースを導入するメリット

HubSpotの最大の特徴である「顧客情報を一元管理できる」という点を踏まえ、ナレッジベースを活用することは重要です。

カスタマーサクセス業務の効率化だけでなく、一貫性のある顧客対応がおこなえるといったメリットが考えられます。

  • カスタマーサクセス業務を効率化できる
  • 一貫性のある顧客対応がおこなえる
  • 社内のコミュニケーションが円滑になる
  • 顧客はストレスなく問題を解決できる

また、ナレッジベースは顧客だけでなく、社内で利用することも可能です。ノウハウ共有ツールとして、効率的に機能させましょう。

カスタマーサクセス業務を効率化できる

HubSpotナレッジベースを導入すると、カスタマーサクセス業務を大幅に効率化できます。

顧客からのよくある質問(FAQ)や製品に関する情報を集約し、ナレッジベースとして公開することで、顧客は自分で必要な情報をすぐに探し出せるようになります。これにより、電話やメールでの問い合わせ対応にかかる時間と労力を、大幅に削減できるでしょう。

また、カスタマーサクセス担当者は、より複雑な問題や個別対応が必要な顧客に集中できるようになるため、全体のサポート品質が向上します。

さらに、ナレッジベースの利用状況を分析することで、顧客がどのような情報に関心を持っているのか、どのような点で困っているのかを把握できます。

この情報を活用して、製品やサービスを改善したり、より効果的なサポートを提供したりすることが可能です。

一貫性のある顧客対応がおこなえる

HubSpotのCRMで管理されているチケットやパイプラインの情報を参照することで、顧客が過去にどのような問題を抱え、どのように解決に至ったのかといった経緯が把握できます。

したがって、担当者が誰であっても、過去のやり取りを踏まえた一貫性のあるサポートが実現します。

サポート担当者によって回答が異なるといった問題を回避し、顧客は安心して情報を信頼できるでしょう。

社内のコミュニケーションが円滑になる

HubSpotナレッジベースは、顧客対応だけでなく、社内コミュニケーションの円滑化においても重要です。

製品に関する情報や営業資料、FAQなどをナレッジベースとして共有することで、従業員は必要な情報にいつでもアクセスできるようになります。

そのため、営業担当者が顧客からの質問に答えられない場合でも、ナレッジベースを参照することで、迅速かつ正確な回答を提供できるでしょう。

また、開発部門が製品のアップデート情報をナレッジベースに登録することで、営業担当者やサポート担当者は、常に最新の情報を把握できます。

ほかにも、ナレッジベースは、社内研修の教材としても活用できる点も重要です。新しい従業員はナレッジベースを通じて、会社の製品やサービス、顧客対応に関する知識を効率的に習得できます。

顧客はストレスなく問題を解決できる

HubSpotのナレッジベースは、24時間365日いつでも利用できるため、顧客は自分のタイミングで疑問を解決できます。

FAQやトラブルシューティングガイド、製品マニュアルなどの情報が整理されているため、顧客は必要な情報を、簡単に見つけられるでしょう。

問題を早く解決したい顧客にとって、待ち時間や担当者とのやり取りはストレスになりがちです。

ナレッジベースを活用して解決までの負担を減らし、顧客体験を向上させることは、企業への信頼を高めることにもつながります。

HubSpotのナレッジベース活用シーンと例

HubSpotのナレッジベースは、顧客サポートだけでなく、組織内の情報共有にも活用できる多機能なツールです。

具体的な活用シーンと事例を通して、その有用性をさらに深く掘り下げていきましょう。

顧客に向けたFAQサイト

HubSpotのナレッジベースは、顧客が製品やサービスに関する疑問を自己解決するためのFAQサイトとして効果的に活用できます。

「よくある質問」と、その回答を体系的にまとめたFAQページを作成し、顧客が迅速に情報にアクセスできるようにすることで、顧客満足度を向上させることができます。

例えば、以下のような、顧客からの頻繁な問い合わせに対応するFAQページを作成しましょう。

質問のカテゴリよくある質問
ソフトウェアの操作方法特定機能の使い方設定手順ショートカットキー
料金プラン各プランの詳細料金体系支払い方法
トラブルシューティングエラーメッセージへの対処法一般的な不具合の解決再起動手順
アカウント管理登録情報の変更パスワード再設定解約方法

これらのFAQページに、キーワード検索機能を実装することで、顧客は必要な情報へ瞬時にアクセスできるようになります。問題解決までの時間を大幅に短縮し、顧客体験を向上させることが可能です。

組織内でノウハウを共有する

社内の業務プロセスや製品に関する詳細情報、過去の成功事例・失敗事例をHubSpotのナレッジベースに蓄積することで、従業員は必要な情報にいつでもアクセスできるようになり、業務効率が向上します。

例えば、各部署が持つ専門知識や経験をナレッジベースに蓄積することで、組織全体の知識レベルを底上げできるでしょう。

担当部署専門知識や経験
営業チーム顧客との商談で得た効果的なトークスクリプトよくある質問と回答成功事例・失敗事例とその分析
マーケティングチーム過去のキャンペーンのターゲット設定クリエイティブ効果測定データ成功・失敗要因の分析
開発チーム製品の技術仕様設計ドキュメント既知のバグ情報とその回避策開発プロセス
カスタマーサクセスチーム顧客からのフィードバックトラブルシューティングの手順顧客対応のベストプラクティス

これらの情報をナレッジベースで共有することで、従業員は類似の課題に直面した際に、過去の成功例を参考にしたり、失敗例から学びを得たりすることができます。無駄な試行錯誤を減らし、より質の高い業務遂行が可能になります。

HubSpotのナレッジベースの使い方

HubSpotのナレッジベースは、プログラミングやデザインといった特別なスキルは一切不要です。

直感的な操作で、誰でも簡単に、そしてプロフェッショナルな印象を与える洗練されたナレッジベースを構築できます。

セットアップする

まず、画面左側のメニューから「コンテンツ」を選び、その中に表示される項目から「ナレッジベース」を選択します。

ナレッジベースの運用を開始するために、まず基本情報を設定します。

タイトルの設定

ナレッジベースを作成する際、最初はシンプルで分かりやすいタイトルをつけるのがおすすめです。後からコンテンツが充実していくにつれて、具体的なキーワードを追加していくことで、検索エンジンの最適化(SEO)にもつながります。

たとえば、最初は「クラウド会計ソフト ご利用ガイド」といった基本的なタイトルで始め、コンテンツが増えてきたら「[会社名] クラウド会計ソフト – 〇〇機能の使い方、初期設定、トラブルシューティング」のように追加していきましょう。

会社名に加えて、特にユーザーが検索する可能性の高い機能名や目的を含めることで、ユーザーが探しやすく、検索結果にも表示されやすくなります。

スラッグの設定

スラッグとは、WebページのURLの末尾に表示される、ページの内容を示す短い文字列のことです。今回のナレッジベースのトップページであれば、内容が明確になるように「knowledge-base」と入力すれば問題ありません。

基本設定が完了したら、ナレッジベースのデザインを決定するテンプレートを選択します。HubSpotでは、コンテンツリッチ、タイルなど、複数のテンプレートが用意されています。

それぞれのテンプレートには特徴がありますが、最初に構築する場合は、シンプルで見やすい「カード」形式のテンプレートがおすすめです。

テンプレートを選択したら、ナレッジベース内の情報を整理するためのカテゴリーを設定します。初期状態では、以下のカテゴリーが用意されています。

  • よくある質問
  • 利用を開始
  • トラブルシューティング
  • 全般
  • レポート
  • 連携

もし、これらのカテゴリーが提供したい情報と合致する場合は、そのまま利用しても問題ありません。

記事を作成する

基本的なセットアップが完了したら、ナレッジベースに公開する記事を作成します。画面右上の「記事作成」から、新規記事を作成しましょう。

最初の記事として、よくある質問や、利用開始に関する基本的な情報など、ユーザーが最初に必要とする可能性の高い内容から作成していくのがおすすめです。

記事を作成する際に重要なのが、HubSpotのナレッジベースの記事設定にある項目です。

これらの項目を適切に設定することで、記事が検索結果に表示されやすくなり、SEO(検索エンジン最適化)の効果を高めることができます。

特に重要なのは、ユーザーが実際に検索する可能性のある、具体的な質問を記事のタイトルや見出しに含めることです。

たとえば、「クラウド会計ソフトで会社名を登録する方法は?」のような、質問の頻度が高い具体的な疑問をタイトルに設定することで、顧客は記事を見つけやすくなります。

また、サブタイトルは必須ではありませんが、設定することで記事の分かりやすさや検索結果でのクリック率を向上させる可能性があります。

タイトルを設定したら、質問に対する明確で分かりやすい回答を作成していきましょう。

本文中で特に重要な情報や、ユーザーに注意してほしいポイントを強調する際に便利なのが、特定のテキストを目立たせるための「コールアウト」機能です。

今回は、入力時の注意点をコールアウトで強調することで、顧客の注意を引きつけています。

AIアシスタント機能

記事の内容を考えるのが難しいと感じる場合でも、HubSpotのAIアシスタント機能は非常に強力な味方となります。

AIに伝えたい内容の簡単な一文を入力するだけで、AIが文脈を理解し、必要な情報を自動的に付け足し、文章を豊かに展開してくれます。

HubSpotナレッジベースを導入するときの注意点

HubSpotのナレッジベースは、顧客サポートと社内情報共有の両面で大きな効果を発揮しますが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。

  • 顧客視点で記事を作成する
  • 機能・マニュアルをシンプルにする
  • 運用ルールと責任者を明確にする
  • 導入の必要性を社内に周知する

これらの点に留意することで、ナレッジベースの効果を最大限に引き出し、スムーズな運用を実現することができます。

顧客視点で記事を作成する

HubSpotでナレッジベースの記事を作成する上で、最も重要なのは、常に顧客の視点に立つことです。専門用語は避け、誰にでも理解できる、平易で親しみやすい言葉を選ぶように心がけましょう。

「顧客は何に困っているのか?」「どんな情報を求めているのか?」を徹底的に想像し、そのニーズにピンポイントで応えるコンテンツを提供することが、ナレッジベースの価値を高める鍵となります。

また、ナレッジベースの記事は作成して終わりではありません。顧客からのフィードバックを積極的に収集し、常に内容を改善していく姿勢が不可欠です。

機能・マニュアルをシンプルにする

HubSpotナレッジベースの導入において、機能とマニュアルはできる限りシンプルにすることが、社内担当者が効率的に運用するためには重要です。

多機能であることは必ずしも有益ではなく、複雑すぎる機能は担当者を混乱させ、情報登録や更新の負担を増やし、結果としてナレッジベースの活用を妨げる可能性があります。

また、マニュアルを作成する場合も、専門用語は避け、平易な言葉で記述することを徹底しましょう。

初心者向けの基本的な操作から、応用的な使い方まで、段階的に説明することで、担当者は無理なくスキルアップできます。

運用ルールと責任者を明確にする

HubSpotのナレッジベースを活用するためには、記事の作成、更新、管理に関する明確なルールと責任者を定めることも重要です。

誰が、いつ、どのような手順で記事を作成・更新するのか、情報の品質はどのように管理するのかを事前にしっかりと定義することで、コンテンツの整合性を保ち、常に最新で信頼性の高い情報を提供し続けることができます。

また、定期的なコンテンツの見直しや、古くなった情報、誤った情報の修正作業も、責任者が中心となって計画的に行うことで、ナレッジベースの信頼性を高め、利用者の満足度向上につながります。

導入の必要性を社内に周知する

HubSpotナレッジベースの導入を成功に導くためには、その必要性を社内にしっかりと伝え、全従業員の理解と協力を得ることが不可欠です。

特に、日々の顧客対応を担う部署や、製品に関する専門知識を持つ部署の賛同は、プロジェクトを円滑に進める上で非常に重要となります。

HubSpotのナレッジベースを導入する際には、下記のメリットを説明することをおすすめします。

  • 顧客対応の効率化と負担軽減
  • 顧客満足度の向上
  • 企業イメージの向上
  • 従業員のスキルアップ
  • データに基づいた改善

ナレッジベース導入によって得られる具体的なメリットを丁寧に説明することで、社内のモチベーションを高められるでしょう。

HubSpotナレッジベースを利用できるプラン

HubSpotのナレッジベース機能は、Service HubのProfessionalプランまたはEnterpriseプランで利用可能です。無料プランやStarterプランでは利用できませんのでご注意ください。

Professional12,000円/月~アカウントごとに1件のナレッジベース
Enterprise15,600円/月~アカウントごとに5件のナレッジベース

HubSpotのナレッジベース導入にご興味をお持ちでも、どのプランが自社に最適か迷われている場合は、ぜひHubSpot認定パートナーであるグロースパイロットにお気軽にご相談ください。

グロースパイロットは、お客様のビジネス目標や現状の課題を丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案いたします。

プランの選定だけでなく、導入から運用、効果測定まで、お客様のナレッジベース活用をトータルでサポートいたします。

HubSpotのナレッジベースで、顧客満足度を向上させよう

HubSpotのナレッジベースは、顧客が抱える疑問や問題を自ら解決できるよう支援する、顧客満足度向上のための強力なツールです。適切に活用することで、顧客体験を大きく向上させることができます。

顧客は、時間や場所を選ばず、自分のペースで問題解決に取り組むことが可能です。これにより、電話やメールでの問い合わせを待つストレスから解放され、迅速かつ効率的な問題解決を実感できるでしょう。

また、企業にとってもサポートチームの負担を軽減し、より複雑で専門的な問い合わせに集中できるという大きなメリットがあります。

HubSpotのナレッジベース導入にご興味をお持ちでしたら、HubSpot認定パートナーであるグロースパイロットにご相談ください。貴社の状況に合わせた最適なプランをご提案し、導入から運用まで丁寧にサポートいたします。

まずは無料相談で、貴社の課題やご要望をお聞かせください。

お問い合わせはこちら