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BtoB広告とは?種類・費用・成功のポイントを徹底解説「セルフ診断リスト」付き
リード獲得
「BtoB広告を始めたいけれど、種類が多くて何から手をつければ良いかわからない…」
「広告を出してはいるものの、なかなか成果が出ず、費用対効果にも疑問を感じている…」
BtoBにおける広告展開について、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
BtoB広告は、成果につなげられる有効なマーケティング手法です。そのためには、次のことが重要です。
もし、自己流でBtoB広告の運用を進めてしまうと、効果の薄い施策に「貴重な時間と予算」を費やしてしまいます。
獲得できたはずの大きなビジネスチャンスも逃してしまうかもしれません。
BtoB広告で競合他社に差をつけ、事業成長を確かなものにするための実践的な知識とノウハウを、この記事に凝縮しました。
ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、貴社のマーケティング戦略成功への第一歩を踏み出してください。
BtoB広告とは?
BtoB広告とは、企業が他の企業(法人)に向けて、自社の製品やサービスを宣伝・販売促進する活動全般です。個人消費者向けのBtoC広告とは異なり、ターゲットは企業の担当者や経営層になります。
そのため、広告の内容や媒体は、ビジネスシーンに合わせた専門的なものが選ばれるのが特徴です。
BtoB広告の定義と目的
BtoB広告(Business to Business広告)とは、企業が他の企業を顧客として、自社の製品やサービスを販売促進するための広告活動全般を指します。
広告を通じてターゲット企業に自社の存在や提供価値を伝え、最終的に製品導入やサービス利用といった成果へ繋げることを目指します。
BtoB広告が目指す目的は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
- リード(見込み客)の獲得
- 認知度の向上
- ブランディング
- 商談創出
- 顧客との関係構築
これらの目的を達成することが、BtoB企業の持続的な成長につながります。
BtoC広告との違い
BtoB広告(企業向け)とBtoC広告(一般消費者向け)は、対象とする顧客が根本的に異なるため、広告戦略における様々な側面に違いが現れます。
比較項目 | BtoB広告 (企業向け) | BtoC広告 (一般消費者向け) |
ターゲット | 企業・組織(担当者、経営層など) | 一般の個人消費者 |
意思決定プロセス | 複数人が関与合理的判断慎重長期的 | 個人中心感情的な好みも影響比較的短期間 |
購買単価 | 高額 | 低~中価格帯が多い |
検討期間 | 数ヶ月~年単位と長い | 比較的短い |
主な訴求内容 | 課題解決能力費用対効果信頼性導入事例 | 価格デザインブランドイメージ流行感情 |
主な広告媒体 | ビジネス系メディア専門誌展示会ビジネスSNS (LinkedIn等) | テレビCM一般向けSNSWebサイト雑誌交通広告 |
BtoB広告とBtoC広告の最も大きな違いはターゲットです。
BtoBは「企業」を相手にするため、製品やサービスの購買決定には複数の担当者や部門が関わることが多くなります。
そのため、意思決定プロセスは機能性や費用対効果といった合理的な基準に基づき、時間をかけて慎重に進められる傾向があります。
一方、BtoCは「個人」がターゲットであり、購買決定は個人の判断で行われます。
価格や機能だけでなく、デザイン、ブランドイメージ、個人の好みや感情なども判断材料となり、比較的短期間で決定されることが多いのが特徴です。
BtoB広告の重要性
BtoBビジネス特有の「複雑な意思決定プロセス」「高額な購買単価」「長期の検討期間」を考えると、戦略的な広告展開は欠かせません。
まず、BtoBの購買には多くの関係者が関与し、それぞれの立場や関心はさまざまです。
さらに、 BtoB商材は高額であり、失敗のリスクも大きいため、意思決定は極めて慎重に行われる特徴があります。
ここで重要になるのが「信頼」です。
BtoB広告は、企業の専門性、実績、ブランドイメージを効果的に伝え、製品・サービスの価値を明確にすることで顧客の不安を和らげ、確かな投資判断を後押しします。
また、BtoBでは検討に数ヶ月から年単位の時間を要します。この間、顧客の関心を引きつけ、有力な選択肢として認識され続ける必要があります。
BtoB広告は、継続的な接点を通じて検討段階に合わせた情報を提供し、顧客との関係性を深めながら、最終的な選択を促す力となります。
【オンライン】BtoB広告の種類と特徴
現代のビジネスにおいてインターネットは不可欠であり、それに伴い、オンライン広告はBtoBマーケティング戦略の中核を成すようになりました。
企業間(BtoB)の情報発信に目を向けると、オンライン広告には下記のように、多種多様な手法があり、それぞれ独自の特徴と強みを持っています。
- リスティング広告(検索連動型広告)
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 記事広告
- 動画広告
- メール広告(メルマガ広告)
BtoB広告で成果を上げるためには、その選択と組み合わせがきわめて重要です。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、GoogleやYahoo! JAPANといった検索エンジンの検索結果ページにおいて、ユーザーが入力した検索キーワードに応じて表示されるテキスト形式の広告です。
検索連動型広告とも呼ばれ、BtoB広告において広く活用されています。
この広告手法の最大のメリットは、自社の製品やサービス、あるいはそれらに関連する課題や情報を能動的に探している「顕在層」のユーザーに直接アプローチできる点です。
たとえば、「生産管理システム 導入」や「クラウドPBX 比較」といった具体的なキーワードで検索している企業担当者は、製品導入への関心度が高いと考えられます。
このようなユーザーに対して広告を表示させることで、自社サイトへの誘導や、資料請求、問い合わせといったコンバージョンにつながりやすくなります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリケーション内に設けられた広告枠に表示される広告のことを指します。
テキストだけでなく、画像(バナー)や動画を用いた視覚的な表現が可能な点が大きな特徴です。
BtoB広告におけるディスプレイ広告の主な役割は「潜在層へのリーチ」と「認知度の向上」です。
特定のキーワードで検索する段階には至っていないものの、自社のターゲットとなりうる層に対して広く広告を表示することで、企業名や製品・サービスの存在を知ってもらうきっかけを作ります。
繰り返し表示させることで、ブランドイメージの刷り込み(ブランディング)効果も期待できます。
また、ディスプレイ広告の強みは、多様なターゲティング設定が可能であることです。
ユーザーの年齢や地域といった属性情報、閲覧しているサイトのジャンルや興味関心、過去のWebサイト閲覧履歴など、さまざまな条件で配信対象を絞り込めます。
画像や動画を活用し、製品の魅力や導入メリットを視覚的に訴求できる点もメリットと言えるでしょう。
SNS広告
SNS広告は、Facebook、X(旧Twitter)、LinkedInといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のプラットフォーム上に配信される広告です。
各SNSのタイムラインやフィード、ストーリーズなどに、通常の投稿と同じような形式で表示されることが多いのが特徴です。
BtoB広告においてSNS広告を活用するメリットは、まず「精度の高いターゲティング」が可能である点です。
多くのSNSでは、ユーザーが自ら登録した勤務先、業種、役職、学歴などの詳細なプロフィール情報をターゲティングに利用できます。
特にビジネス特化型SNSであるLinkedInは、BtoBのターゲット設定において有用なプラットフォームです。これにより、狙いたい企業の担当者層にピンポイントで広告を届けることが期待できます。
また、SNSならではの「情報拡散性」も魅力の一つです。
広告内容がユーザーの共感を呼んだり、有益だと判断されたりした場合、「いいね」や「シェア」といったアクションを通じて、広告費をかけずに情報が広がる可能性があります。
潜在層への認知拡大から見込み客獲得まで、幅広い目的で活用できる広告手法です。
記事広告
記事広告は、タイアップ広告やネイティブアドの一種であり、特定のWebメディアやニュースサイトなどに、そのメディアの通常の記事(編集コンテンツ)と同じような体裁で掲載される広告コンテンツを指します。
広告主である企業が伝えたい情報を、メディアの編集方針や読者層に合わせて記事形式で作成し、掲載します。
BtoB広告における記事広告のメリットは、まず「深い製品・サービス理解を促進できる」点です。
限られたスペースのバナー広告やテキスト広告とは異なり、記事形式であるため多くの情報量を盛り込めます。
製品開発の背景にあるストーリー、具体的な機能や導入メリット、顧客の成功事例などを詳細に解説することで、読者である企業担当者の深い理解と納得感を得やすくなります。
また、メディアのコンテンツの中に自然な形で溶け込むため、「広告特有の敬遠感を和らげられる」という利点もあります。
読者は情報収集の一環として記事を読むため、広告に対する心理的な壁が低くなります。
さらに、信頼性のあるメディアに掲載されることで、そのメディアが持つ権威性や信頼性を借りることができ、自社や製品に対する信頼感の向上にもつながります。
潜在的な顧客層や、具体的な製品・サービスを比較検討している層に対して、有益な情報を提供しつつ、効果的にアピールできる手法です。
動画広告
動画広告は、YouTubeのような動画共有プラットフォームをはじめ、SNSのフィード上、Webサイトの記事内や広告枠などで配信される動画形式の広告です。
動きと音声を用いて情報を伝えられる点が最大の特徴です。
BtoB広告の分野でも、動画広告の活用は広がっています。その大きなメリットは「高い情報伝達力」にあります。
たとえば、製品の実際の動作デモンストレーション、複雑なサービスの仕組み解説、導入企業の担当者インタビューなどを動画で見せることで、テキストや静止画だけでは伝わりにくい情報を短時間で直感的に、かつ分かりやすく伝えることが可能です。
また、視覚と聴覚の両方に訴えかけるため、「視聴者の記憶に残りやすい」という効果も期待できます。
ストーリー性を持たせたり、感情に訴えかけるような構成にしたりすることで、企業や製品に対する印象を強め、ブランドへの親近感を醸成することもできます。
配信プラットフォームも多様で、YouTube広告はもちろん、Facebook、Instagram、LinkedInなどのSNS広告、ディスプレイ広告枠など、様々な場所で動画広告を配信できます。
それぞれのプラットフォームが持つターゲティング機能を活用し、適切な層に動画を届けることが重要です。製品紹介だけでなく、セミナーやウェビナーの告知、企業の取り組み紹介など、幅広い用途で活用できる広告フォーマットです。
メール広告(メルマガ広告)
メール広告(メルマガ広告)は、特定の企業やメディアが発行しているメールマガジン(メルマガ)の広告枠を利用して配信される広告、または特定のターゲットリストに対して送信される広告メールのことを指します。
BtoB分野におけるメール広告のメリットとして、まず「ターゲットを絞った効率的な配信」が挙げられます。
たとえば、特定の業界動向や専門テーマに関するメルマガは、その分野に関心を持つ購読者が集まっています。
そのようなメルマガの広告枠を利用することで、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性が高い、質の高いターゲット層に直接アプローチできます。
また、他のオンライン広告手法と比較して「比較的安価なコストで実施できる」場合がある点もメリットです。
特に、ニッチな分野に特化したメディアのメルマガ広告などは、費用対効果の高い選択肢となり得ます。
メールは購読者の受信箱に直接届けられるため、情報を届けたい相手に対して能動的に働きかける「プッシュ型のアプローチ」が可能です。
新製品のリリース案内や、期間限定のキャンペーン、セミナー開催告知など、タイムリーな情報を伝えるのに適しています。
開封率やクリック率といった効果測定も比較的容易に行えるため、PDCAサイクルを回しやすい広告手法の一つです。
【オフライン】BtoB広告の種類と特徴
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する現代ですが、BtoBマーケティング戦略においてオフライン広告が持つ重要性は変わりません。
オンライン広告がリーチの広さや効率性で強みを発揮する一方で、オフライン広告には、直接的な接触による信頼関係の構築、特定のターゲット層へ深く響く訴求、そして物理的な体験の提供といった独自の価値が存在します。
代表的なオフラインのBtoB広告手法として、次のようなものが挙げられます。
- 展示会・イベント出展
- 新聞・雑誌広告
- タクシー広告・交通広告
これらのオフライン施策は、オンライン広告と連携させることで、互いの弱点を補い、より強力な相乗効果を生み出すことが期待できます。
展示会・イベント出展
展示会・イベント出展は、特定のテーマに関心を持つ企業担当者が一堂に会する絶好の機会に、自社の製品・サービスを直接アピールするオフラインBtoB広告手法です。
この手法の最大の価値は、何と言っても「直接対話による深い関係構築」が可能な点にあります。来場者と直接対話し、デモンストレーションや質疑応答を通じて、オンラインでは築きにくい強固な信頼関係へとつなげられます。
また、「質の高いリードを効率的に獲得できる」点も大きなメリットです。
課題解決の意欲を持って来場する担当者も多く、会場で得た名刺やアンケート情報は、有力な見込み客リストとして即座に活用できます。
さらに、製品・サービスのリアルな体験を提供できることも、展示会ならではの強みと言えるでしょう。Webサイトや資料では伝わらない価値を、実演や操作を通じて効果的に訴求できます。
ほかにも、展示会は「市場や競合の最新動向を探る」ための情報収集の場としても機能します。特に、大規模な展示会への出展は、企業のブランド力を効果的に示す機会ともなり得ます。
新聞・雑誌広告
新聞・雑誌広告とは、日本経済新聞のような全国紙、業界動向を伝える専門誌、あるいはビジネスパーソン向けの雑誌といった紙媒体に掲載される広告のことです。
デジタル広告が主流となった現在でも、BtoBマーケティングにおいて依然として有効な手法の一つと位置づけられています。
その大きな理由の一つが、媒体自体が持つ「高い信頼性と権威性」です。
特に歴史ある新聞や専門性の高い業界誌は、読者から長年にわたり厚い信頼を寄せられています。
こうした媒体に広告を掲載することは、広告主である企業の信頼性やブランドイメージの向上に直結します。経営層や管理職といった特定の役職者が主要な読者層であるケースも少なくありません。
また、特定のターゲット層へ効率的にリーチできる点も重要です。自社のターゲットとする層が多く購読している媒体を選定すれば、メッセージを効率的に届けることが可能です。
タクシー広告・交通広告
近年、オフラインBtoB広告として存在感を増しているのが、タクシー広告や交通広告です。
タクシーでは後部座席タブレットの動画広告やステッカー、交通広告では電車内や駅構内のポスター・デジタルサイネージなどが代表的です。
これらの手法がBtoBで効果を発揮する理由は、主に以下の点にあります。
- 特定のビジネス層への反復訴求力
- エリアターゲティングの精度
- 認知度向上とブランディング効果
特にタクシーは、役員・管理職・営業担当者などビジネスでの利用者が中心です。
乗車中の「閉じられた空間」では広告への注目度が高く、記憶に残りやすい上に、リピート利用による継続的なメッセージ到達が期待できます。
ほかにも、電車や駅の広告は、オフィス街など特定のエリアに集中して掲示することで、その地域で働くターゲット層へ効率的にリーチできます。
広告不特定多数の目に触れる機会が多い点も、企業名やサービス名の認知度アップに貢献すると言えるでしょう。
自社に最適なBtoB広告は? 媒体選定のためのセルフ診断
オンライン・オフラインを問わず、さまざまな広告媒体がありますが「他社がやっているから」「流行っているから」といった理由だけで安易に飛びつくのは避けるべきでしょう。
広告の成果を最大化するためには、まず自社の状況を客観的に把握し、戦略的に媒体を選定するプロセスが不可欠です。
ここでは、そのための思考の枠組みとなる「セルフ診断」をご紹介します。
以下の6つの質問に答えていくことで、自社の広告戦略の方向性が明確になり、最適なBtoB広告媒体を選び出すためのヒントが得られるはずです。
1. 広告出稿の「最大の目的」は何か?
BtoB広告の媒体を選定する上で、最初に明確にすべきことは「広告を通じて何を達成したいのか?」といった最大の目的です。
目的が曖昧なままでは、どの媒体が適しているのか判断できず、広告配信後の効果測定も適切に行えません。
BtoB広告における主な目的としては、以下のようなものが考えられます。自社の現在の事業フェーズや課題に照らし合わせ、最も優先度の高い目的を特定しましょう。
- 新規リード(見込み客)獲得
- 認知度向上
- ブランディング
- 商談創出
- 既存顧客との関係強化
たとえば、短期的なリード獲得が最優先であれば、購買意欲の高い層に直接アプローチできるリスティング広告や、質の高いリードが見込めるセミナー開催が有効かもしれません。
一方、中長期的な視点でブランドイメージを構築したい場合は、記事広告や継続的なディスプレイ広告の配信が適している可能性があります。
目的によって最適な広告手法は異なりますので、まずは「最大の目的」を定めることが重要です。
2. メインターゲットは「誰」で「どこ」にいるか?
広告は「誰に」届けたいのか、そのメインターゲットを具体的に定義することが、効果的な媒体選定に不可欠です。
ターゲットが曖昧なままでは、メッセージの内容も配信する場所も定まらず、広告費が無駄になってしまう可能性があります。
BtoBにおけるターゲット設定では、まず「企業」の属性を明確にします。
どのような「業種」で、どの程度の「企業規模」(従業員数や売上高)の会社を狙うのか、また「地域」は限定するのかなどを考えます。
次に、その企業の中で意思決定に関わる、あるいは情報収集を行う「担当者」の属性を具体化します。下記のように、具体的にターゲットの属性を洗い出しましょう。
- 所属部署:経営企画部、情報システム部、人事部、製造部門など
- 役職:経営者層、部長クラス、担当者レベルなど
また、ターゲットが情報収集を行う「どこ」(チャネル)にいるのかを把握することで、適切な広告媒体が見えてきます。
広告の種類 | ターゲットの行動 |
リスティング広告 | 特定の業界キーワードで積極的に「検索」を行う |
ディスプレイ広告記事広告 | 特定のニュースサイトや「専門メディア」を閲覧している |
SNS広告 | 「LinkedIn」などのビジネスSNSを活用している |
オフラインでは、特定の「業界展示会」に参加する、専門的な「雑誌」を読む、あるいは「タクシー」を頻繁に利用するなど、ターゲットの行動パターンを捉えることが媒体選定の鍵となります。
3. 「商材・サービス」の特性は?
自社が広告で宣伝しようとしている商材やサービスの特性を深く理解することも、適切なBtoB広告媒体を選ぶ上で欠かせない要素です。
商材の性質によって、効果的なアプローチ方法や伝えるべき情報、そして適した広告媒体は異なります。
以下の点を考慮し、自社の商材・サービスがどのような特性を持っているか分析してみましょう。
- 価格帯
- 専門性・複雑性
- ターゲット市場の広さ
- 購買決定プロセス
- 商材のタイプ
これらの商材特性を踏まえ、たとえば「高額で複雑な基幹システム」であれば、機能や導入効果をじっくり伝えられる記事広告やセミナー、信頼性を示す展示会出展などが考えられます。
一方、「比較的安価で導入しやすいクラウドツール」であれば、リスティング広告やSNS広告で直接的なトライアルや資料請求を促すアプローチも有効でしょう。
4. 投下できる「予算」はどれくらいか?
各広告媒体にはそれぞれ異なる費用感があり、自社の予算内で最大の効果を得るためには、費用対効果を考慮した媒体選定が不可欠となります。
まず、主なBtoB広告媒体のおおよその費用感を把握しておきましょう。
比較的少額からスタートでき、予算調整の柔軟性が高い広告としては下記のようなものが挙げられます。
- リスティング広告
- SNS広告
- メルマガ広告
一方、ある程度のまとまった初期投資や継続的な費用が必要となる傾向があるのは、下記のような広告です。
- ディスプレイ広告
- 記事広告
- 動画広告
- 展示会出展
- 新聞・雑誌広告
ただし、単に「いくら使えるか」という予算総額だけでなく、「その予算でどの程度の成果(ROI:投資収益率)を目指すのか」という目標設定も重要です。
限られた予算の中で最大限の効果を発揮させるためには、設定した目的に対して「最も効果が見込める媒体」に優先的に予算を配分し、実施後は効果測定データに基づいて予算配分を柔軟に見直していく姿勢が求められます。
最初は小規模に始めて効果を検証し、成果が見込めると判断できれば徐々に予算を拡大していく、という進め方も有効な戦略です。
5. 社内の「運用リソース(体制・ノウハウ)」は?
効果的なBtoB広告を展開するためには、予算だけでなく、広告を実際に運用するための社内リソースが十分に備わっているかを確認することも重要です。
魅力的な広告媒体を見つけても、それを適切に運用できなければ期待した成果は得られません。以下の点を考慮し、自社の運用リソース状況を評価してみましょう。
- 広告運用を「専任で担当する」人材がいる
- 兼任する場合は、十分な時間を確保できる
- 関連部署との連携体制が構築されている
- 過去にBtoB広告を実施した経験がある
- 具体的な運用ノウハウが社内に蓄積されている
もし、社内のリソースが不足していると感じる場合は、広告代理店や専門のコンサルタントといった外部パートナーの活用を検討してみましょう。
6. 成果を求める「期間」は?
BtoB広告戦略を立てる上で、広告出稿によって「いつまでに」「どのような成果」を期待するのかは大切です。具体的な期間を設定し、媒体選定やKPI(重要業績評価指標)設定を行いましょう。
求める成果とその達成までの期間によって、適した広告アプローチは異なります。大きく分けて「短期的な成果を目指す」場合と「中長期的な成果を目指す」場合で考えてみましょう。
【短期的な成果(例:数週間~3ヶ月程度)を重視する場合】
「今すぐ客」を獲得したい、特定のキャンペーン期間内に問い合わせ数を最大化したい、といったケースが該当します。次のような広告がおすすめです。
広告の種類 | メリット |
リスティング広告 | 購買意欲や課題意識が顕在化している層に直接アプローチできる |
セミナー・ウェビナー | 明確な開催日時を設定し、計画的なプロモーションを展開できる |
SNS広告 | 特定のターゲットに絞って短期間でリーチできる |
【中長期的な成果(例:半年~数年単位)を重視する場合】
すぐに売上につながらなくても、将来の顧客となる層への「認知度向上」、業界内での「ブランディング確立」、時間をかけた「潜在顧客の育成(リードナーチャリング)」などを目指すケースです。次のような広告がおすすめです。
広告の種類 | メリット |
記事広告 | 深い情報提供を通じて、理解と信頼を醸成できる |
ディスプレイ広告ー | 継続的な配信でブランドイメージを刷り込める |
動画広告 | 製品の魅力を視覚的に伝え続ける |
ほかにも、準備期間や関係構築に時間がかかる「展示会出展」も、中長期的な施策と言えるでしょう。
BtoBビジネスは、一般的に顧客の検討期間(リードタイム)が長い傾向にあります。そのため、短期的な成果だけを追い求めるのではなく、中長期的な視点を持って、顧客との関係性を段階的に構築していく戦略が重要になることが多いです。
自社の商材特性や顧客の購買プロセスを考慮し、現実的な成果目標と達成までの期間を設定した上で、適切な広告媒体と戦略を選びましょう。
失敗しない!BtoB広告の始め方・進め方【5ステップ】
BtoB広告は、新規顧客獲得やブランド認知度向上に有効な手段ですが、十分な計画なしに始めてしまうと、思ったような成果が得られず、貴重な予算を浪費してしまうリスクも伴います。
ここでは、BtoB広告を失敗させずに効果的に始めるための、実践的な5つのステップをご紹介します。
Step1:目的(KGI)と目標(KPI)を明確にする
BtoB広告を成功させるには、まず「目的(KGI)」と「目標(KPI)」を明確に設定することが最も重要です。
KGI (Key Goal Indicator) = 最終目的
KGIは広告活動を通じて、最終的に達成したいビジネス上の成果です。「重要目標達成指標」とも訳され、具体的には次のようなものが挙げられます。
- 広告経由の年間受注額を10%増やす
- 新規契約数を年間50件獲得する
- サービスの市場認知度を6ヶ月で15%上げる
KPI (Key Performance Indicator) = 中間目標
KPIは、KGI達成に向けた進捗を測るための中間的な指標です。「重要業績評価指標」とも訳され、具体的には次のようなものが挙げられます。
- Webからの資料請求 月30件
- 広告クリック率 (CTR) 1%以上
- リードからの商談化率 5%
- 広告経由のWebサイト訪問 月1,000人
目的(KGI)と目標(KPI)を最初に決めることで、広告戦略の方向性が明確になり、関係者間で共通認識を持てます。また、KPIを定期的に計測することで、施策の効果を客観的に判断し、改善を進めるための基準となります。
設定する際は、以下の「SMART」の原則を意識しましょう。
- Specific:具体的か?
- Measurable:測定可能か?
- Achievable:達成可能か?
- Relevant:KGIと関連性があるか?
- Time-bound:期限は明確か?
Step2:ターゲット(ペルソナ・ターゲット企業)を具体化する
広告の目的・目標が決まったら、次は「誰に」広告を届けるか、ターゲットを具体的に定義します。ターゲットが曖昧では、効果的な広告は打てません。
どのような企業にアプローチしたいかを定義し、ターゲット企業内にいる担当者の具体的な人物像(ペルソナ)を設定しましょう。
ターゲット理解が深まることで、最適な広告媒体を選定でき、効果的なランディングページの設計といった、広告戦略の精度を高めることができます。
Step3:広告媒体の選定と予算配分
目的(KGI/KPI)とターゲットが決まったら、次は「広告媒体の選定」と「予算配分」を行います。
多くの場合、単一媒体ではなく、複数の媒体を組み合わせる「メディアミックス」が有効です。ターゲットとの接触点を増やし、より深いコミュニケーションを図れます。
- 認知度向上(ディスプレイ広告等)+ リード獲得(リスティング広告)
- オンライン広告で集客 → オフラインセミナーへ誘導
また、最初から完璧に予算配分を行うのは、難しいかもしれません。まずはテスト的に運用し、効果測定の結果を見ながら柔軟に予算配分を見直すことを前提としましょう。
「自社に最適な広告媒体がわからない」と悩んだ場合は、外部パートナーとして広告運用の支援会社に相談することもおすすめです。
Step4:刺さる広告クリエイティブとLP(ランディングページ)を作成する
広告媒体と予算が決まったら、次はユーザーが直接目にする「広告クリエイティブ」と、クリック後に訪れる「LP(ランディングページ)」を作成します。
1. 広告クリエイティブ作成のポイント
ユーザーの心を動かす広告を作るには、以下の点が重要です。
- ターゲット(ペルソナ)への語りかけ
- ベネフィット(価値・メリット)の提示
- 媒体特性への最適化
- 明確なCTA(行動喚起)
出稿する媒体に合わせて表現を調整することは重要です。たとえば、テキスト広告ならコピー、バナー広告ならビジュアル、動画広告ならストーリー性を工夫しましょう。
2. LP(ランディングページ)作成のポイント
広告からの訪問者を確実に成果(コンバージョン)につなげる「受け皿」として、LPは極めて重要です。
- 広告との一貫性
- 魅力的なファーストビュー
- 分かりやすいページ構成
- 最適化された入力フォーム
資料請求や問い合わせのための「フォーム」は入力項目を最小限にするなど、ユーザーの離脱を防ぐ工夫も凝らしましょう。
Step5:広告配信と効果測定・改善(PDCA)
広告の準備が整ったら、計画に基づいて広告配信を開始しましょう。しかし、BtoB広告は「配信して終わり」ではありません。
成果を最大化させるためには、配信後の継続的な効果測定と改善、すなわちPDCAサイクルを回すことが重要です。
たとえば、Google Analyticsなどのツールも活用しながら、データに基づき客観的に測定し、分析結果から得られた課題に基づいて改善策を実行します。
【改善アクション例】
- CTRが低い → 広告クリエイティブ(メッセージ、デザイン)を見直す
- CVRが低い → LPの内容やフォームを改善する
- ターゲティング効果が薄い → 設定を見直す
- 費用対効果が悪い媒体 → 予算配分を見直し、効果の良い媒体へ変更する
データ分析から的確な改善策を導き出し、実行するには、専門的な知識だけでは十分とは言えません。広告を運用し、改善を行ってきた「実践的な経験」も求められます。
「より早く成果を実感したい」「社内のリソースやノウハウに不安がある」といった場合には、グロースパイロットのような伴走型の広告運用コンサルティング・サービスに相談してみるのも一つの有効な手段です。
専門家の知見や経験を活用することで、より迅速かつ効果的にPDCAサイクルを回し、目標達成を加速できる可能性があります。
BtoB広告の費用対効果を高める!成功のための7つのポイント
投じた費用に対してどれだけの効果が得られたか、すなわち費用対効果(ROI)を最大化することが、BtoB広告を成功させる上での重要な課題となります。
ここでは、BtoB広告の成果を最大化するための7つの実践的なポイントをご紹介します。
1. 目的とKPIを常に意識し、関係者間で共有する
目指すゴールが曖昧では、施策の優先順位がつけられず、効果測定も不十分となり、結果として広告費の浪費につながってしまいます。
設定したKGI・KPIを広告担当者だけでなく、営業部門やマーケティング部門全体、時には経営層まで含めた関係者全員で共有することが、極めて重要になります。
これは、全員が共通の目標を認識することで、組織全体の連携がスムーズになり、広告の成果達成が加速されるからです。
こうした連携を維持し、費用対効果を継続的に高めていくためにも、定期的なミーティングでKPIの進捗を確認し、必要に応じて目標を見直していくことが欠かせません。
2. ターゲット顧客像(ペルソナ)の解像度を徹底的に高める
「ペルソナの解像度を高める」とは、単に業種や役職といった属性情報を定義するだけでは、不十分かもしれません。
- どのような業務を行っているか
- どのような課題意識を持っているか
- どのような情報源に触れているか
- どのような思考プロセスで意思決定を行っているか
上記のように、ペルソナの内面や行動パターンまでリアルに想像できるレベルを目指しましょう。
ペルソナの解像度を高める上で最も有効なのは、既存顧客へのヒアリングです。
なぜ自社を選んだのか、導入前にどのような情報収集をしたのか、などを直接聞くことで、仮説ではない、リアルな顧客像を捉えることができます。
また、日々顧客と最前線で接している営業担当者からの情報収集も欠かせません。顧客が頻繁に口にする悩みや、競合製品・サービスと比較されるポイントなど、現場でしか得られない貴重な情報を見つけましょう。
3. 広告媒体の特性を深く理解し、戦略的に組み合わせる
BtoB広告の費用対効果を高めるためには、それぞれの媒体特性を深く理解した上で、自社の目的やターゲットに最適な媒体を戦略的に選び、組み合わせることが重要です。
広告の種類 | メリット | デメリット |
リスティング広告 | 購入意欲の高い層に有効 | 認知拡大には限界がある |
ディスプレイ広告 | 広く認知度を高められる | 直接的なCV率は低い |
このように、どの媒体にも一長一短があります。だからこそ、一つの媒体に固執せず、複数の媒体を効果的に組み合わせる「メディアミックス」の視点が大切になるのです。
顧客の購買プロセス(認知→興味関心→比較検討→購買)に合わせて各段階に適した媒体を使い分けたり、オンライン広告で獲得した見込み客をオフラインのセミナーへ誘導したりするなど、媒体同士を連携させることで、互いの弱点を補い、相乗効果を生み出しましょう。
4. 広告クリエイティブは複数パターン用意し、テストを繰り返す
どのような広告クリエイティブが最もターゲットに響くのかは、実際に配信してみなければ分からない部分が多くあります。
だからこそ、費用対効果を高めるためには、最初から完璧なクリエイティブを目指したり、「これだ」と思い込んだりするのではなく、複数のパターンを用意して効果を比較検証する「A/Bテスト」を積極的に、かつ継続的に実施することが不可欠です。
A/Bテストでは、以下のような要素について複数のパターンを作成し、どちらがより高いCTRやCVRといった良い成果につながるかを比較しましょう。
- キャッチコピーの訴求軸
- デザインのテイスト・色使い
- CTA(行動喚起)の文言・デザイン
- ターゲット別の訴求
テストを実施したら、必ず結果データを分析し、効果の高かったパターンを基にさらに改善を加える、あるいは効果の低かったパターンは配信を停止するといった判断を行います。
地道なテストと改善のサイクルを回し続けることで、広告クリエイティブの質は着実に向上し、より少ない費用で多くのクリックやコンバージョンを獲得できるようになります。
5. ランディングページ(LP)の継続的な改善を怠らない
どんなに魅力的な広告でユーザーをLPに誘導できたとしても、ユーザーが求める情報が見つからなかったり、資料請求や問い合わせといった次のアクションを取りにくい構造では、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
BtoB広告運用においても、LPは一度作って終わりではなく、継続的に改善し続ける必要があります。
たとえば、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールで直帰率や滞在時間、コンバージョン率(CVR)といったデータを分析し、具体的な問題点を特定しましょう。
課題が見つかれば、具体的な改善策を考え、実行に移します。
LPの要素についても「A/Bテスト」を実施し、どの変更がコンバージョン率の向上に本当につながるのかを、データに基づいて検証していくことが重要です。
LPのコンバージョン率が改善されれば、同じ広告費でより多くの成果を獲得できるようになり、結果として費用対効果の向上が期待できます。
6. MAツール等を活用し、広告とナーチャリング施策を連携させる
BtoB広告で獲得したリードは、すぐには契約に至らないことがほとんどです。多くの場合、情報収集や比較検討の段階にあるため、受注に繋げるには時間をかけた育成(リードナーチャリング)が欠かせません。
このナーチャリングこそが、広告の最終的な費用対効果を高める鍵となります。
そのため、広告の成果は獲得時のCPA(顧客獲得単価)だけでなく、ナーチャリングを経てどれだけ受注に繋がったかで評価することが重要です。
この広告とナーチャリングの連携を効率化し、データに基づいた判断を支援するのがMA(マーケティングオートメーション)ツールです。
MAツールで広告とナーチャリングを連携させることで、リードの取りこぼしを防ぎ、商談化率・受注率を高めることができます。
7. 短期的なCPAだけでなく、LTV(顧客生涯価値)視点も持つ
BtoB広告の費用対効果を評価する際、多くの企業がCPA(顧客獲得単価)、つまり1件のコンバージョン獲得にかかる費用に注目します。
CPAを低く抑えることはもちろん重要ですが、短期的なCPAだけを追いかけていると、広告投資の真の価値を見誤る可能性があります。
そこで不可欠となるのが、「LTV(顧客生涯価値)」という長期的な視点です。LTVとは、一人の顧客が生涯を通じて自社にもたらす総利益を示します。
たとえば、次のような視点で考えてみましょう。
CPA | LTV | 費用対効果 |
高い | 高LTV:長期契約やアップセル・クロスセルにつながる顧客 | 〇 |
低い | 低LTV:受注につながらず早期に解約する顧客ばかり | × |
LTVの視点を取り入れることで、広告戦略は「単に安価なリードを多く集める」ことから、「将来的に価値の高い優良顧客を獲得する」ことへとシフトします。
短期的な獲得効率を示すCPAと、長期的な顧客価値を示すLTV。この両方のバランスを見ながら広告戦略を評価・最適化していくことが、持続的なビジネス成長と費用対効果の最大化につながるのです。
BtoB広告運用をプロに相談して成果を上げる(まとめ)
BtoB広告は、適切に活用すれば新規リード獲得やブランド認知度向上に大きく貢献し、企業の持続的な成長を支える強力なエンジンとなります。
しかし、その一方で、データに基づいた改善を継続的に行う必要がある、専門性の高い領域でもあります。
複雑なプロセス全てを、限られた社内リソースとノウハウだけで最適に実行し、最大限の成果を出すことは容易ではありません。
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グロースパイロットは、BtoBマーケティングに特化した支援会社として、これまで多くの企業様の広告運用をご支援し、成果向上に貢献してまいりました。
本記事で解説したような、目的・KPI設定、ペルソナ策定、媒体選定、クリエイティブ・LP改善、MAツール連携、LTV向上といったBtoB広告成功のポイントを踏まえ、貴社のビジネス成長を加速させるための最適なソリューションをご提案します。
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