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BtoBリスティング広告の設定から最適化を実現する重要ステップ
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BtoB市場では、適切なリスティング広告の運用がビジネスの成長と成功に不可欠です。
本記事では、BtoB企業が行うべきリスティング広告の基本について、メリット・デメリット、効果を最大化する方法までご紹介します。
リスティング広告を最大限に活用して、効率的かつ効果的な広告戦略を展開しましょう。
リスティング広告とは何か
リスティング広告は、検索結果の上部などを中心に表示される有料広告のことです。「検索連動広告」とも呼ばれます。
広告表示のタイミングが「検索」という能動的なアクションに連動しているため、商品やサービスへの関心が高いユーザーに対して、ピンポイントなアプローチが可能です。
例えば、ユーザーが「業務用プリンター 導入」と検索した場合を想定しましょう。業務用プリンターを展開している企業は、検索したユーザーに対して、製品情報や価格を提示した広告の出稿ができるようになります。
検索ユーザーは、明確な課題意識や商品ニーズを持っているため、問い合わせや資料請求といった具体的なアクションにつながることが期待されます。
広告費用は「ユーザーが広告をクリックした回数」に応じて発生する点も特徴です。1クリックあたりの費用は業界や競合状況によって変動しますが、成果に応じた予算管理が可能です。
- 地域
- 時間帯
- デバイス
詳細な配信条件を設定できるため、効率的な広告運用を実現できます。リスティング広告は即効性が高く、新規顧客の開拓やリード獲得において効果を発揮できるでしょう。
BtoBマーケティングにおけるリスティング広告
BtoBリスティング広告の最大の特徴は、企業の経営者や購買担当者など、専門性の高い意思決定者をターゲットにする点にあります。BtoBマーケティングにおける効果的な手法としても、注目されています。
株式会社IDEATECHが提供する、リサーチデータマーケティング「リサピー®︎」がおこなった調査によると、BtoB企業の47.7%がリスティング広告を活用していることがわかりました。全デジタル広告施策の中で、最も採用率が高い結果となっています。
そもそもBtoBマーケティングは一般的には検討に関わる人数が多く、検討期間も比較的長いのが特徴です。
BtoC | BtoB | |
顧客 | 一般消費者 | 企業・組織 |
意思決定者 | 本人 | 複数人 |
検討期間 | 比較的短い | 比較的長い |
リスティング広告では、明確な課題意識や商品ニーズを持っているユーザーに対して、適切にアプローチできる良さがあります。
問い合わせや資料請求といった具体的なアクションにつなげるためにも、企業の経営者や有役職者など、意思決定の権限を持っているユーザーに広告を届けることが大切です。
キーワード戦略が重要
BtoBにおけるリスティング広告では、意思決定者に広告をクリックしてもらうために、購買プロセスの段階に応じたキーワード戦略の展開が重要です。商談化までの時間軸を考慮した、段階的なアプローチが重要となります。
例えば、営業管理ツールを商材としてリスティング広告を出す場合は、次のようになります。
購買の段階 | 検討状況 | 狙うキーワードの例 |
初期 | 社内の課題を解決する方法を探している | 業務効率化 課題コスト削減 方法 |
中期 | 気になる商品・サービスがあり、導入を検討している | システム比較導入事例 |
後期 | 実際に購入を考えている | 製品価格導入費用 |
初期段階では「課題解決事例」や「業界動向レポート」といった情報提供型のコンテンツで興味を惹きつけ、検討段階では「導入事例」や「費用対効果試算」など、より具体的な価値提案へとつなげます。
広告文やランディングページも、検索者の役割や関心に合わせて最適化が必要です。技術担当者向けには「システム要件」や「互換性」、経営層向けには「ROI」や「経営課題解決」といったメッセージを前面に出すことで、各意思決定者の関心事に応える情報提供が可能です。
また、長期的な検討プロセスをサポートするため「リマーケティング機能」を活用し、一度サイトを訪問したユーザーに対して、段階的な情報提供を行います。資料ダウンロードやセミナー申込みなど、継続的なコミュニケーションにつながる施策と組み合わせることで、効果的なリード育成が実現できます。
BtoBリスティング広告のメリット
詳細なターゲティングができるリスティング広告では、購買意欲の高い見込み顧客と接点を持てたり、費用対効果が高いといったメリットがあります。
購買意欲の高い見込み顧客と出会える
業界・専門性を重視したキーワードを設定することで、購買意欲の高い見込み客と接点を持つことが可能になります。業界固有の専門用語や、課題に関連したキーワードが有効です。
業界 | キーワード例 |
製造業 | 品質管理システム導入在庫管理ソフト比較 |
建設業 | 原価管理ツール選定工事管理アプリ導入 |
各産業の商習慣や業務プロセスに精通した担当者からの問い合わせにつながりやすくなります。
企業規模に応じたターゲット設定も、成約率を高めるためには効果的です。従業員1,000名以上の大企業に向けたキーワード、中小企業に向けたキーワードと、使い分ける必要があります。
予算規模や意思決定プロセスに合致した商材提案をおこなえるため、商談効率が向上します。
費用対効果が高い
日々の運用をしっかりと行うことで広告費用の無駄を抑えられます。検索意図が明確なユーザーのみにアプローチするため、予算を効率的に活用できます。記事広告やアフィリエイト広告と比べ、投資対効果の測定も行いやすいです。
リサーチデータマーケティング「リサピー®︎」がおこなった「マーケティング予算における広告予算」の調査では、全体の約60%の企業が予算を30%未満に抑えていることもわかります。
リスティング広告は、全デジタル広告施策の中で、最も採用率が高いことが明らかになっています。リスティング広告を用いることで、少額の予算でも効果的な運用を実現させている企業が増えている傾向がわかります。
SEO対策より効果を早く実感できる
リスティング広告は、広告掲載から24時間以内に成果測定が可能です。SEO対策では3〜6ヶ月の期間を要する一方、リスティング広告では初日から検索結果の上位に表示され、即座に見込み顧客からの反応を得られます。
具体的な効果測定では、次の3つの指標が重要です。
- 広告表示回数
- クリック数
- 問い合わせ数
例えば「業務効率化ツール」というキーワードで、1日平均100回の広告表示、10件のクリック、1件の資料請求といった具体的な数値目標を設定し、日次でPDCAを回せます。
広告文の改善効果も、短期間で確認できます。「無料診断実施中」「導入事例プレゼント」「特別価格キャンペーン」など、様々な訴求文でA/Bテストを実施し、最適な表現を素早く見つけ出せます。テストの結果は1週間程度で判明するため、迅速な改善が可能です。
商品やサービスの市場ニーズも即座に把握できる良さもあります。検索ボリュームやクリック率の変化から、顧客の関心事項や課題を読み取り、営業活動や商品開発にフィードバックできます。
リスティング広告のデメリット
キーワードの入札競争や専門的知識など、導入にあたっていくつかのデメリットがあります。
競合他社との入札競争
リスティング広告では、人気キーワードを巡る入札競争が原因で、広告費用が莫大にかかってしまう場合もあります。
「業務改善」「コスト削減」といった汎用的なキーワードは、業界を問わず多くの企業が広告出稿するキーワードです。競合率が高く、クリック単価も上昇傾向にあります。高単価商材では、1クリックあたり3,000円を超えるケースも発生しています。
認知度拡大に向いていない
リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワードを検索した時にのみ表示される仕組みのため、新規サービスや商品の認知度向上には大きな制限があります。
例えば「オンライン研修システム」というすでに確立された市場では、多くの企業が製品を比較検討する際に検索するため、リスティング広告は効果的です。
一方、「メタバース型社員研修」のような新しい概念の商品では、そもそも検索されないため、広告を表示する機会が極めて限られます。
広告文の表現にも制約があります。タイトル半角30文字、説明文半角90文字という制限の中では、「AIを活用した独自の人材管理プラットフォーム」のような革新的なサービスの特徴や価値を十分に説明できません。特にBtoB製品では、技術的な優位性や導入効果を簡潔に伝えることが困難です。
専門的な知識とノウハウが必要
BtoBリスティング広告の運用には、専門スキルが必要です。運用担当者は各分野での深い理解と実践経験が求められます。
- キーワード戦略の設計力
- 入札管理の専門知識
- 広告文のライティングスキル
効果的なキーワード選定には、検索条件の使い分けが重要です。「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」など、検索条件の違いを理解した上で、商談化につながるキーワードを選定する必要があります。
また、入札管理は数値分析が必須です。時間帯や曜日、地域、デバイスごとの入札単価の調整が必要です。
日々の運用には商材知識、数値分析力、コピーライティング力が求められ、これらのスキルを身につけるには実務経験が欠かせません。社内での運用体制に不安がある場合は、無料相談やトライアル期間を設けているBtoBマーケティング支援会社への相談がおすすめです。
BtoBリスティング広告の効果測定
リスティング広告の効果を正確に測定することは、マーケティング戦略の改善に不可欠です。特に、BtoBにおけるリスティング広告では、長期的な商談創出や見込み顧客の育成を重視した指標設定が求められます。
今回は、効果的なKPI(重要業績評価指標)の設定方法と、ROI(投資利益率)の最大化戦略について解説します。
KPIの設定と追跡
効果的なリスティング広告のためには、KPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に追跡することが重要です。KPIを設定することで広告活動の成果を数値で把握でき、投資対効果を予測することが可能になります。
また、KPIを追跡することで、設定した目標値に対する実績を定期的に測定・分析でき、改善が必要な点を素早く特定できます。
一般的なKPIの要素には、以下のようなものがあります。
- クリック数: 広告がどれだけ注目されているか
- コンバージョン率: クリックがどれだけ効果的にリードや販売につながっているかを測定
- CPA (Cost Per Acquisition): 顧客獲得コストを測定し、キャンペーンのコスト効率を評価
- CPC (Cost Per Click): 一つのクリックに対するコストで、広告の効率を測定
Google AdsとMicrosot Adsの管理画面では、設定したKPIの進捗状況をリアルタイムで確認できます。
広告運用担当者は、予算消化状況やクリック数の確認、キーワードごとの成果分析を実施します。必要に応じて入札単価の調整や広告文の改善を行います。
このような定期的な分析と改善により、限られた予算で最大限の広告効果を引き出すことが可能です。
ROIの最大化
ROIとは投資収益率のことを指し、リスティング広告でROIを最大化すると、コスト面や営業面で多くのメリットが発生します。
- 広告費用の効率化
- 予算配分の最適化
- 見込み客の質の向上
- 成約までの時間短縮
リスティング広告でROIを最大化するためには、戦略的な広告配置と予算管理が不可欠です。ROI最大化の具体的なステップは以下の通りです。
ステップ | やること |
ターゲットの精緻化 | 検索キーワードの分析検索意図に合致したキーワードを設定除外キーワードを活用 |
広告コンテンツの最適化 | 広告文やビジュアルを定期的に更新見出し文に検索キーワードを含める説明文に具体的な数値や実績を盛り込む |
入札戦略の見直し | 時間帯や曜日、デバイス別の成果を分析し成果の良い条件では、入札単価を引き上げ成果の低い条件では、入札単価を抑える |
問い合わせフォームを最適化 | 問い合わせまでの導線を分かりやすく設計 |
検索キーワードの分析では「除外キーワード」を活用し、関連性の低いクリックを防ぐことで、広告予算の無駄遣いを防ぐことも重要です。
広告コンテンツを見直しする際は、商品やサービスの強みを明確に伝えることを意識しましょう。アピールポイントを変えた複数の広告文でA/Bテストを実施し、効果の高い表現を見極めることも有効です。
上記の戦略を実行することで、投資した広告費用に対するリターンを最大化できます。定期的なデータ分析と戦略を見直し、長期的な成功につなげましょう。
業種別のBtoBリスティング広告事例
リスティング広告は、業種によって異なるアプローチが必要です。
今回は3つの異なる業種を例に、最適なリスティング広告の事例を紹介しましょう。
製造業
製造業では、リスティング広告で製品の仕様、利用可能なカスタマイズオプション、最小ロットサイズなどの詳細情報を提供できます。潜在的なビジネス顧客に対して、具体的な製品情報を提示可能です。Google Adsのショッピングキャンペーンなどを活用して、具体的な製品画像と共に、情報を展示できます。
ITサービス
IT業界の顧客は特定の技術的なニーズを持っており、問題解決が重要です。リスティング広告では、提供するサービスの範囲、専門技術、サポートの詳細などを提示できます。ターゲットとする業界や特定の技術分野に基づいて、細かいセグメント化が可能です。
コンサルティング
コンサルティング業界では、専門知識と信頼性を強調する広告が求められます。ウェビナーやセミナー、無料コンサルティングへの招待を促進するためには、リスティング広告が効果的です。専門性を求める顧客に対して、専門知識を提示できます。専門業界のイベントや、トピックに関連する広告配信も可能です。
まとめ
BtoBリスティング広告について基礎知識やメリットをご紹介しました。
購買意欲の高い見込み客と接点を持てたり、費用対効果が高かったりと、導入する上でのメリットはたくさんあります。一方で、専門知識が必要であるため、効果的に運用することが難しい一面もあります。
当社はBtoBマーケティングの専門家として、数多くのリスティング広告における支援実績があります。BtoBリスティング広告の活用方法や導入に関するご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。貴社のビジネス成長をサポートいたします。